スケールとディテール

日々

スケール

あなたより小さいものに関しては、あなたは上手にそれを把握することができるね。普段の仕事の流れとか、身の回りの家具の配置とか、机上のレイアウトなんてずっとあれこれ調整していたりするね。この服にはどんな靴が似合うのかとか、このカバンはこのパンツに合うのかとか、トータルコーディネートがあれこれと浮かぶだろう。ところが、あなたより大きなものをなんとかしようとするとちょっとなにかの助けを得ないとよくわからなくなるね。マスゲームなんかの一人ひとりが画用紙を持って人文字をつくるとか、誰が何色を持てばいいとかは最近ではコンピュータの演算ですぐにできる。けれどそれがなくてアナログでやるときは、まずはスケールを調整して小さくするね。そうすると全体像が手にとるようにわかるのでそこからはあなたの頭の中で微調整ができるようになる。

観測者

そうやって色々考えるけれど、今の所一番大きいのが宇宙だね。光の速さでも何万年以上とかとてつもない大きさ以上なので、せいぜい小さく捉えようとしても太陽系ぐらいが限界だね。それ以上の縮尺にするとそもそも自らのいる地球が消えてなくなるほどになる。そうなると頭の中で微調整というレベルではなくなってしまうね。要するにどれだけ大きなものでもある程度縮小することで把握できていたことが、そこではちょっと一人では難しくなってくる。普段判別しているあなたの世界の出来事もちょうどいい縮尺で俯瞰できればよくわかるけれど、それを超えると歪んだ形での理解となる。それがあなたの認識の限界ということだね。もちろん今ではコンピュータという文明の利器があるのでちょっと計算すればわかるようにできるけれど、なんとなく肌感覚で見ている世界はそれほど広くない。あなたの頭で思い浮かべられる空間以上は適当になっているね。

数量

たくさん存在するなにかもそうだね。あなたの周りにはおよそ数十人から数百人ぐらいの普段見かける人がいる。けれどそれぞれどんな人でどんなことに関わっているとかは大まかに分類されている。それは家族、恋人、趣味仲間、仕事関係ぐらい大雑把に把握しているね。もっと大胆な人は、敵か味方かぐらいの2択かもしれない。それ以上詳細な分類は日常では全く必要なく、おそらくはそれで十分にあなたの世界は回っているはずだ。ということは、逆に言えばそれぞれの生い立ちや性格や特徴などを詳細に把握するだけで、あなたの世界はガラリと変わるね。そういう人もたまにいるみたいだけれど、おおよそそういう性格だと実はいつも関わる人の数が大幅に減ってしまって、そもそも分類も何も必要なくなるようだね。面白いものであなたの処理能力が一定であって、大きいと大雑把になり小さいと精密になる。今あなたが見ている世界はどのスケールなのかを確認したほうがいいよ。