愛別離苦

日々

流れる雲

雲はあなたの前に現れ、一時も同じ形ではなく常に変化していずれ消えてなくなっていく。あなたの周りの人間関係もそれと同じだね。去るものは追わず、来るものは拒まずでちょうどいい。離したくない人ほどどんどん離れていくような寂しい気持ちもわかるけれども、それはあなたが新しいステージへ旅立っていることを表しているわけだ。そして、気がつけばそれまでは全く意識していなかった人がそばにいたりする。それはそれで受け止めることが、あなたが自然の流れに沿っていることの現れだね。もっといえば、固定化されたなにかなんていうのはあなたが生み出した不自然なものであり、あなたも含めてどんどん変化しているのが自然なんだ。だから、あなたはただただその変化を受け止めることだけしかそもそもできないね。寂しく思ったり、やるせない気持ちがそこにあるのなら、それは送別会で応援されていると思っていいわけだよ。

なすがまま

そういう変化に心を奪われて、自暴自棄になったりやるせなくなったりすることもあるだろう。それは変化の兆しなのでそのままでいいわけだ。それぞれがそれぞれの道を進むにつれて、旅の途中で出会った彼らは道中お気をつけてといって違う方向へと進んでいく。あなたはあなたの進むべき方向に向かって、また歩みを進めることでその先にはあなたの次に出会う人々が待っている。だから、そんなに悲しまなくてもいいんだよ。もちろん大切だと思った人と同じ道を歩むことができれば、それはそれで幸せだろう。けれどもそれは永遠には続かないのも知っているね。それが1時間なのか、1年なのか、10年なのかの違いであってやがてそのときが必ずやってくるわけだ。だからこそ、今たまたま一緒に出会っている人々に丁寧に付き合うことが一番大切にしなければならないね。好きな人もちょっといけ好かない人もひっくるめて今のあなたのそばにいる意味がそこにあるんだから。

出発

そろそろあなたは別の目的地へと出発する時期が来た。これまでのすべてのことに感謝しつつ、また次の場所へ向かうわけだ。それはわかってはいるけれども、後ろ髪を引かれる思いもあるね。でもそれもまたあなたの門出を応援しているからこその思いだと思って、一歩踏み出す力に変えよう。そうすることで必ずまた新たな出会いが待っているわけだ。それはあなただけではなく、これまであなたと懇意にしてくれた人たちも同じことが言える。そうやってそれぞれが目指すべき道を歩みだすという全体の流れを感じられるからこそ、いい思い出として心に刻まれていくね。またどこかでもしかしたらお互いに違った姿で再会するかもしれない。そのときにまた素敵な仲間として迎え入れることができるだろう。すべてはあなたの生きている間の限定的な奇跡であって、それをただただそのまま受け止めることが、一番の幸せな時間でもある。ということは、あなたはこれまで生きてきた時間はすべてまるごとそうだったと気づくだろう。