理想のあなたは存在しない
変化
いつもと違うあなたは、あなたがそれを一番初めに気がつくわけだ。けれども他人はなかなかその変化に気づいてはくれないことが多い。だからあなたが先にそれを知らせたいと思ってしまうね。しかしながらそれをやってしまうと、なぜかあなた以外の人たちの反応はあまりよくないみたいだ。あなたが主張する変化はまだ誰も気がついてはいない段階で、あなたがそれを先に言うとまるで自慢しているように見えるからだ。お金持ちになったとか、ダイエットに成功したとか、ちょっと博識になってきたとか、あなたの望む何かが実現しつつあるとしても、その小さな変化はまだ全体の関係性においては少しも影響を及ぼしていないからだね。たとえそれがそうかもと思っている人がいたとしても、まだそれらは誤差でしかなく顕著な変化がそこには起きていないとしたら、ほとんどの人が気が付かないのも無理はないね。
自慢
あなたには本来備わっている特性があって、それが一番に認められるわけだ。それは突出したわかりやすい性質であり、それによってあなたはあなたらしさとして認識される違いとなって、周囲の人に影響を及ぼしている。それらはあなたが気が付かないでいるものも含まれていたりするね。それを好意的に受け止めてくれる人からは一定の評価を得られている状態において、あなたの個性というか特性がそこに受け入れられた状況となる。それらはあなたが思っていることとは若干異なることが多いのは、あなたがそれらをコントロールすることはできないからだ。逆に言えばあなたが自慢したいことではなく、あなたがまだそれらに気がついていないことばかりだったりもする。そうしてあなたがなりたいあなたと周りが認識しているあなたの姿においてギャップが生まれているわけだ。それらはあなたには全く関係のないところで常に生じているものだね。
誇り
あなたは誰かにこう見られたいと思っている理想のあなたの幻影を抱いている。ところが、周囲から聞くあなたの印象はそれとは同じではない。そのギャップを埋めようとあなたは理想の姿を目指して何かを始めるわけだ。それが夢だったり希望だったりするね。もっとこんなふうに思われる人になりたいと努力をするかもしれないし、もっと人気を得られるように自らの意図とは違った行動を取るかもしれない。でもそれらが実現したら、あなたはあなたが思っているのと違うあなたが生まれるわけだ。奇妙なことにあなたが思っているあなたなんてこの世にどこにも存在せず、あなたが知らないところで周囲の人たちにあなたが生まれている。もちろん誰かに優しくしたり、気に入ってもらうように配慮したりすることは悪いことではない。けれども、あなたがそう見られたいからしているのは、ほとんど見当違いだというのも事実だね。ならありもしないあなたの理想像を捨てて、やりたいことをやればいいわけだよ。