一時停止

日々

暗雲

あなたが見上げる空はいつも曇っているかもしれない。だからあなたはやっぱり人生なんてつまらないと思い込んでいるね。立ち込めている雲の向こう側はいつも快晴であることをあえて無視している。もちろん雲はあくまで一時のものであることは知っている。ずっとそれらを見つめてみれば、常に風に流されて変化し続けているからだ。なのに、ふと見上げた空にはやっぱり暗雲が立ち込めている。それが何度か続けばあなたの空はいつもそうであると誤解してしまうわけだね。もちろんたまには気分の良い抜けるような青空が広がっているわけだけれども、それもどうせ長くは続かないと思っている。自然の本質としては立ち込める雲はイレギュラーであり、どれだけ地上が嵐であったとしてもその上は何があってもいつも快晴だ。どちらが真実かは言うまでもないね。なのにあなたはそれを気づかないふりをして、いつも曇った空がそこにあると決めつけている。考えてみればとても滑稽なことだね。

不幸

そうやって本質を真逆に捉えることで、あなたはいつも浮かない顔をして過ごしている。ネットで流れてくるニュースはいつもあなたの不安を的中させるものばかりで溢れているだろうし、何をやってもどうせうまくいかないという予言は高確率で的中する。できればやりたくないと思っていることで溢れかえって、それを渋々やったらほんの少し良いことがあるかもという期待もことごとく裏切られ続けてきたね。そうであるならいっそのこと何もしないで生きてやろうと思ったところで、それを妨げる厄介事ばかりに翻弄されているだろう。それもそのはず、あなたが思っていることはすべて真逆であるからだ。あなたの視点が反対になっているからそうなっているのだとすれば、あなたが正しいと思っていることを真逆にすれば幸せばかりの人生になるはずだ。そんなことを言われたところでにわかに信じられないのも無理はない。あなたが正しいと思い込んでいる状態では受け入れ難いのも仕方がないね。

一時停止

あなたは山を見て水がどこから流れているかを知る。源流がどこかにあってそれらが山から大きな川へと合流し、やがて海へと注がれる。水の流れは高いところから低いところへ流れるのも当然理解している。それらが太陽の熱で水蒸気になって雲になる。そしてまた雨となって大地に注がれる。その循環の中での一形態が雲だね。理屈としては理科で習ったはずだから、そういうもんだろうと知らないわけではない。そしてそれらは大いなる循環の中で、その時々で姿を変えることが天候の変化となってあなたの世界を形作っているわけだ。暗雲があなたの不幸を象徴しているのであれば、それは永遠ではないし本質でもないことはそこから類推できるはずなんだけれども、なぜかそこであなたは思考を止めてしまうわけだ。まるで映画を一時停止するかのようにね。そのスナップショットばかりをずっと見つめて涙している。再生ボタンを押して続きを見れば良いだけのことなのにね。