普遍でありたい

日々

螺旋

同じことの繰り返しで辟易している毎日を過ごしている。何も進歩も進化もない人生で、いつもなにかに追い立てられて焦ってばかりいるあなたに別れを告げたいのは、そういう閉塞感というか停滞感があなたの心の中にいつもあって、あなたがそれを気にし続けているからだ。ところがそれはあなたから見た風景でしかなく、一歩外から見れば高速に回転しながら螺旋運動をしているわけだ。すなわちあなたが同じ運動場のトラックを周回しているだけだと思い込んでいるだけで、その運動場自体が前進しているわけだ。そうすると、螺旋運動としてあなたの人生はどこかへ向かって進んでいるわけだ。ぐるぐると回りつつ、あなたからすればなんてことのない毎日を過ごしていると感じているだけで、あなたは確実に元の位置にはいないわけだ。あなたから見たその景色はいつもと同じだけれども、あなたの外側から見れば元の位置から遠く離れている。

成長と進化

そうやって位置を変えていることが、果たして成長や進化と言っていいかどうかは誰にもわからないことだね。でも確実にあなたは元の位置からは移動している。すなわち同じあなたはどこにもいなくて、これまでもこれからもそうであるわけだ。あなたはそれに全く気がついていない。けれども、同じことを繰り返してきたつもりであっても、よく見てみると気が付かないだけで全く違うことに気づくだろう。初めてそれを知ったとき、あなたは動揺を隠せないだろう。あなたが信じていたことは、すべてのものは何も変わらないことだったのに、実は全くの別物であったのにもかかわらずあなただけがそれに気がついていないからだ。それを受け入れがたいものだと思うからこそ、またそこから目を背けてしまう。そうすると同じことであってほしいというバイアスからやっぱり何も変わらない幻想を見続けようとする。それはあなたがそうであってほしいと願うからだし、それがあなたにとっては安心で平穏だからだね。

執着

あなたはあなたであることを続けようとする傾向にある。もちろんそんなあなたにも変わりたいと思うことがあるけれども、実際のところあなたは一度も同一性を保ったことはない。そういう事実を突きつけられてしまうとあなたは途端にあなたを続けられないわけだ。何ら変わらない普遍的な存在となりたいのに、実際のところあなたはコロコロと移り変わってきたのが事実だ。ところがそれを何故か受け入れることが苦痛だね。もっと言えば変わらぬあなたなんてどこにもいないという真実を受け入れると、あなたが消えてなくなるのが一番の恐怖となるわけだ。それを受け入れられるかどうかが、すべてを受けれいる柔軟さを保てるかどうかに関わっている。探したところでどこにも普遍的なあなたはいないことを薄々知りつつも、それに真正面から対峙できないままだ。その執着がすべての不幸を生み出している。それすらわかっているけれどもあえてあなたはその不幸だけを受け止めているのは、どう考えても滑稽なことだね。