ニュースの裏側

日々

世間話

現代社会ではいつもニュースにあふれている。それもどちらかといえば幸せのおこぼれにあやかるようないいニュースよりも、恐怖や不安、それによる怒りを感じさせる悪いニュースが多いように感じるだろう。それもそのはず、人々に恐怖や不安を与えることである効果を狙っているわけだ。それはモノを売ることだね。その効果は絶大だからどうしてもそのほうが重視されてしまうわけだ。そしてほとんどの場合それらは全くあなたには関係のないことばかりだ。どこそこで誰かが怖い目にあったとか、強欲な人が誰かの財産を盗んだとか、交通事故で幼い命が奪われたとか、そういったものばかりだね。そしてそれを見てあなたは不安になる。今年の冬は豪雪だと聞けば、いち早く雪対策をするために必要なものを手に入れようとするし、あれこれが値上がりするとなると今のうちに買い占めておこうとする。さらにそのニュースは世間話になり、心にずっと響きわたるわけだ。

口コミ

マーケティングの代表例としては口コミが注目されている。口コミとは近しい人があなたのためにわかりやすく伝えてくれるものだね。その威力はとても強力で営業マンが語りかける以上の購買意欲を掻き立てる効果がある。マスメディアが伝えるよりも、セールスのプロが伝えるよりも、いつも親しい人のほうが信頼できるからだね。口コミを広めるために今やネットが駆使されるようになったわけだけれども、その背景は企業の売上そのものにあるわけだ。モノを売るというのは、真っ先に何が必要なのかということを伝えることであるからね。これからはこうなるから、今のうちに対策をしておいたほうがお得ですよと言うことだけがその裏側にある。年末年始において、この寒空を乗り越えるためにはこういうものはいかがですかと常に喧伝されるわけだから、それを持たないあなたにとってはそれらを手に入れることが一番の優先順位となる。

バズる

そうやって流行り廃りを生み出すことで、世間の注目を集める。その意図はモノを売るためだ。例えば新聞やテレビがなくなったとしたらどんな世界が広がるかを少し思考実験すればわかるね。あなたの話題はもっぱら近しい人の出来事であり、それ以上の広がりはなくなってしまう。ご近所さんが風邪を引いたからお見舞いにみかんを持っていこうとか、隣の娘さんが臨月でもうすぐ赤子が生まれるのでなにか手伝おうとか、そんなことばかりとなるね。どちらかというと災害以外の悪いニュースは少なくなってしまうだろう。さらには、生活必需品は最低限買うことがあっても、いつ起こるかわからない災害用のなにかは誰かが持っていれば十分ということになる。すべてを一人でなんとかするようなことは稀で、誰かが知恵とすでにあるモノであなたを助けてくれるだろう。もちろんそんな小さな村社会というかコミュニティーには掟みたいなものもあるだろう。けれどもニュースで不安や恐怖を煽られることない生活は、とても穏やかなものだろうね。