待ちわびる日々

日々

待つ

ずっと待っていたあの頃は、もう時間が長く感じられてもどかしい毎日だったね。子どもの頃、早くクリスマスやお正月や誕生日が待ち遠しくて仕方がなかった。夏休みもそうだったね。おおよそ一ヶ月の長期休暇を心待ちにしていたわけだ。そしてついにその日がやってきたと思ったら、気がついたら宿題が大いに溜まって残りわずかになって驚愕することも多々あっただろう。旅行にしても出発する日を指折り数え、ついにその日がやってきたら、今度は目的地までの道のりは長く感じる。でも楽しかった日々はあっという間に過ぎてもう家路につく頃には、もう終わってしまうのかと虚しささえ感じている。行きと帰りと同じ時間を過ごしているというのに不思議なことだね。すべては心待ちにしてまだそうなっていないときほど時間は長く感じ、楽しい日々が終わるときはあっという間だという傾向にあるということだ。

堪能

時間の流れはそういった意味では、無機質な一定の間隔を刻んでいるわけではないということだ。本当の時間はあなたの心の中で生まれている。大人になるとあっという間に一年が過ぎてしまうことを感じ、気がついたら後期高齢者になっているわけだ。だから日々を大切に過ごしたいと思っても、あなたの心の時計によって実はそのスピードは大きく変わっている。いつものように特に楽しみもなく、子どもの頃のように待ちわびることも少なく、ただ結果や成果だけを追い求めているとそこそこのスピードで流れ続けていくわけだね。その視点から今を大切にと願ったところで、それほど時間がゆっくりとは進んでくれないようだ。そしてもはや随分と繰り返してきた感想しか残らないわけだね。光陰矢の如しと言ったもので、あなたの残り時間はあっという間に尽きていくわけだ。

楽しみ

楽しみや期待は時間の概念を大きく変えるだけの力がある。それを逆手に取ってより充実した日々を過ごすことも可能だということだ。いつもと同じことを繰り返し、そこに夢も希望も変化もなく過ごしているとあっという間に流れてしまうのなら、いつもという習慣をぶち壊していけばいいわけだ。刺激のない安定した毎日を過ごすのが希望だとすれば、それが実現する日を心待ちにすればいいし、もっと違う経験をしたいと思うのなら、今やっていることへのこだわりを捨てて心機一転がむしゃらにやれる状況へ身を置けばいい。それらの共通点は、いつもとは違う日々ということだ。どちらが良いとか悪いとかではないね。どうやら楽しみというのはいつもとは違うということと同義のようだ。ならばあなたにとっての非日常に身を置けばいいだけだ。さて、安定にしても冒険にしてもあなたにとってのいつもと違うことはなんだろうね。