行動様式
意識を変える
思考の癖とかバイアスをリセットするには、普段と違う行動を取るのが一番だね。頭の中でぐるぐる考えても意識はなかなか変えることはできないからだ。普段の何気ない行動はほとんどが無意識で反射的にそうしているのだから、それを変えることで徐々に意識も変わっていくわけだ。先に意識的に変えようと思考実験してみても、ほとんどが元の木阿弥になるのは、意識的にあえて違う行動するという点が不足しているだけなんだ。だから、いつもと同じようにやりつつも、考え方やバイアスを取り除くというのはとてもじゃないけれどもうまくはいかないだろう。普段の行動をひっくり返すことで強烈な違和感を持ちつつやり続けることで、ようやく少しだけ脱却することができる。だからあれこれと不安になったりしたところで、行動そのものを変えてみることでしかそれを真正面から克服することは不可能だとも言っていいだろう。
上手くいっていること
そういう視点で改めて見てみると、上手く行っていることをわざわざどうなるかわからない方法へ変えるのは至難の業だという意味がより深くわかるわけだ。だからやっぱりそれに戻ろうとする。けれどもそこで稚拙な成功体験に依拠してしまうと同じことの繰り返しとなるわけだ。だからその選択肢は悪手となるわけだね。いわば選択肢を自らが減らしている状況だとも言えるからだ。逆に言えばどうなるかわからない選択肢をたくさん持っていることが、オプションバリューを最大化している状況であり、逆に選択肢をなくしている状況はその価値を低減しているのと同じことだね。いろんな方法や手段があるなかで、それ以外の発想を封じ込んでしまっている。そこに気がつけばガラッと世界が変わる。世界を変えるのは意識ではなく行動だというのはそういうことだ。だからあなたは常に上手く行っているときこそ、それに固執せず様々な良質な失敗を繰り返すことでしか、中長期的にはあなたのアップデートは叶わないわけだ。
学ぶこと
学習して学ぶことは、あなたがそれを変えるときでしか成立しない。同じ状況から導き出す答えが変わることがその成果だからね。それでしか選択肢を増やすことはできない。一つの状況から複数の方法を見出すことができると、それだけの行動と経験が可能となる。学ぶことはなにか新しいことをプラスすることだと勘違いしていることが多いだろう。けれどもそれよりも複数の方法がそこにあるということで、あなたはそれらを選ぶだけではなく、それらを融合したさらに別の手段を生み出すことができるようになる。それらはあなたの普段の行動を大きく変え、あなたの視点も自由自在に動かすことができるようになる。これがまさに学習効果であり、そうすることでいつもの閉塞的な世界の扉をこじ開けることが可能となるわけだ。学ぶとは本来真似ることであり、やってみたことのないことをやってみることである。どこかで見た正解を頭の中で暗記しても上手くいかないのはそういうことだ。