支配欲

日々

支配

あなたの幸せとやらは、その根幹にあるのは一体なんだろう。要するにあなたが思っていた通りの世界の実現であり、あなたが望むすべてがそこに現れることだね。こんな風に言ってしまうと身も蓋もないけれども、結局のところあなたが基準になっている。すなわちすべてのど真ん中にあなたがいて、周りがそれを支えてくれている忠実は下僕となっている状態とも言えるね。そう言うと、それは本当の幸せではないし、それを望んでいるつもりは全くないと反論するだろう。けれども、誰かと比べてより良い暮らしをしたいとか、ちょっと贅沢ができる資産があるとか、あなたをちやほやしてくれる優しい人達に囲まれていたいとか、そんな程度の夢や希望でしかないのではないかな。もちろん、あなたの良心はそうではなく、あなたも幸せだし周りの人々も幸せで暮らしている世界を望んでいるとは思う。けれども、それもこれもあなたが思うそれらであり誰かに聞いたわけでもないはずだ。

うまくいく

結局のところ、うまくいくとはあなたが狙った通りにことが進むことであり、それはあなただけではなく周りの人たちもその方が良いに決まっていると信じていることが実現する世界のことだ。そしてそれはときにそれを望まない人が少しでもいたとしても、あなたはこっちのほうが絶対に良いはずだと押し付けてしまうことでもある。それぞれの多様性や価値観など尊重はしつつも、やっぱり良いこと悪いことのものさしはあなたしか持っていない状況であることは間違いはないわけだ。だからほんの僅かな人たち、例えばあなたにとってあまり良くない人たちには面倒なことを押し付けることになってしまうのはどうしても避けられない。だからそんな綺麗事よりも、あなただけが幸せだと思うことを勝手にやるしかない。すべての人を助けるなんて言うのは、逆に言えばあなたの価値観を押し付けることにほかならないし、それ以外の方法は見つかりそうもない。そこで幸せとは一体なんだろうと立ち止まって考えてはみるものの、やっぱりあなたしかその答えは見つからないのだからね。

良かれと思って

そうやっていつもあなたは何かをコントロールすることでしか、あなたの希望や夢を実現することはできない。でもそれと同時に、それがかえってあなたの幸せを遠ざけていることでもあることに気がつくだろう。夢や希望が実現することは、その裏でいろんな犠牲が支払われているわけだからね。そんなときあなたはもうそれらを見ないことにしてしまうだろう。それしか他に方法はないからね。あなたがこの世の支配者として崇め奉られ、誰もがあなたに羨望の眼差しを向けていてあなたの指示通りに、あるいは指示などしないまでもそれらをすべて推し量ってくれる仲間がいることが良い状況だと思ってしまっている。そんな関係性の中で幸せだの不幸だのと騒いでいるに過ぎないわけだ。冷静になればわかるだろうけれども、何かを支配することはあなただけの幸せにしかならない。そして幸せの形というあなただけの幻を実現しようと画策しているようなものだ。あなたの幸せの本質がわかるならば、あなたの幸せはそこにはないことに気づくことができるはずだ。