対人関係のコツ

日々

全力

あなたはいつの間にかあらゆることに全力を費やすことが良いことだと思いこんでいる。努力は美徳だし、手を抜かない仕事は素晴らしい。でもこと人間関係においてはそうでもなかったりするので注意が必要だね。人に対して親切にすることは良いことだとされていて、一期一会という言葉があるように出会いそのものを奇跡と捉え、全力でおもてなしをすることがあなたの満足度を高める行動かもしれない。けれども、人間関係においては相手があってのことであることが、それ以外と違う点だね。もちろん一つ一つを大切に思うことは必要かもしれない。けれども、あなたの思いを相手にも押し付けるのは筋が違う話だ。あなたが良かれと思って全力でやった結果、相手にとっては疎ましく感じられる場合もあるからだ。大切に思うのはあなたの心の中だけで良くて、それ以上の押し付けはあなたの自己満足であって相手不在の勝手な論理であることに注意した方がいいね。

期待

あなたがこれほどまでにやってあげたのだから、相手もそれなりの返礼をしなければならないという構造は、ほとんど上手くいかないね。それはあなたの思いを測ることができないものであるし、相手にもそれを押し付けたところで、相手にとってはこれぐらいで十分だという目論見があったとしてもあなたにとってのそれとは大きく乖離することがあるからだ。だからはじめから見返りを求めるようになったのならば、それをサインとしてそれ以上は深入りしない方がいいわけだ。もはやそれはおもてなしでもなんでもなく、あなたの自己犠牲の見返りを求めることに変わってしまっているからだね。もはやサービスとしてのビジネスと化してしまっているわけだからね。それを無視する要因はそれこそ、埋没原価の回収を企てているようなものだ。それ以降はすべてこれまでのあなたの手間暇をなんとか回収するため打算的な行動や駆け引きに過ぎないわけだ。

メリット

そこにメリットがあるとかないとかの話は、人間関係においては本来必要のないことだね。ところが現代社会はサービスとしての対価を求める時代であるから、いつの間にかそれと同じく報酬を求めてしまうクセがついてしまっている。となれば、人間関係なんて表層的なもので十分であるし、全力で付き合うことをできればやめたほうがいいわけだ。皮肉なことに片手間で受け流すぐらいがちょうどよく、それぞれが傷つかずにすむし実際のところトラブルも少なくなるだろう。そんな関係に耐えられないかもしれないけれども、実はそれはあなたが誰かに認められたいという承認欲求の成れの果てだね。あなたはあなたが好きなことに全力投球すればいい。けれどもそれが成立するのはあなたの世界だけであり、誰かの世界にとっては全く関係がないことだ。あなたの世界を誰かの世界に押し付けることはやめて、あなたがそれでいいという次元で付き合うことができれば、実はそれぞれの世界を維持する一番の良策なんだよ。