うまく恐れるコツ

日々

恐怖

一寸先は闇というから、あなたは未来に不安を感じているね。それは誰にもわからないことだし、あなたがどれだけ思考をフル回転させたところで面白いようにことごとくその予測は外れていくわけだからね。一方で起きてしまったことについては、あなたはとても冷徹でいられるね。もうどうしようもないからどんなふうに言い訳をするかばかりを考えているからだ。その原因のあれこれよりも、あなたが不利に見られないようにするための作戦ばかりで頭がいっぱいになる。ある意味それは前向きでもあり、今後の立場や境遇に対して影響力減らし、少しでも有利に展開できるようにしようとしているわけだ。ところがそれも誰にもわからないことだから、同時に恐怖から逃れたいという行動とも言える。一寸先は闇であるし、人生にはまさかという坂道があるというように、やっぱりどうやっても知らないことに対してなにもすることはできないという真理は変わらないみたいだ。

ポジティブ

ならどうすれば少しでも快適に生きることができるのか、という問いにどう対応するかといえば、すすんでその渦中に飛び込んでいくことの一点だけになる。真っ赤に燃え盛っている炎に飛び込めば大火傷するだろうし、結構な高さから飛び降りてしまえば地面に叩きつけられる強い衝撃を受けるだろう。実際にそれをするのは自殺行為であるし、そうしろということではなく心の中であれば清水の舞台から飛び降りるのもありだということだ。もちろん後先を考えずにやれというわけではなく、少しだけ感じられるように工夫をして、その物事に触れるということが大切だということだ。そうすることで、そもそもその出来事なり境遇はなぜ今あなたに襲いかかっているのか、というより深い考察にステージを移すことができる。恐怖が支配し続ける限りにおいては、それすらもできないままでじっと過ごすしかないからね。

無知の自覚

あなたが世界の中心にいるとき、あなたの推論は大きくハズレることもなく思ったとおりとまではいかないものの、それなりに準備している範疇に収まることが多いだろう。その経験があるからこそ人生がうまくいくとかうまくいかないとか、安心や恐怖を感じられる。そもそもそんなことすら知らないままだと、恐れは生まれない。危ないという状況を知らないままでいると、それを知っているものからすればヒヤヒヤして見てられないようにね。当の本人は無邪気にそれを楽しんでいる。知らないのは恐怖だと言うけれども、実は知らないことを知らないと恐怖ではなくなるわけだ。要するに、知らないということは知っていることの裏返しだとも言っていいね。子ども頃は急斜面を滑り降りることが楽しみだったのが、おとなになってみれば怖くて一歩も動けなくなるのもそういう理由からだ。あなたはそういう意味では知らないわけではなく、すべてを知っている。だからこそ上手に渦中に飛び込むことができるはずだよ。