幕開け

日々

茶番劇

あなたはそれをとても大切に扱ってきた。それなのにある出来事で急にすべてを失ってしまった。その喪失感と絶望の縁に立たされて、もうこんなことが起きないようにと願いつつ自らの気力を回復しようと必死だね。でも、それもこれもそうなるように誰かが書いた台本通りだとしたらどうだろう。そんな茶番に付き合っている場合ではないと怒ってしまうかもしれないね。でも、良いことも悪いこともあなたが予期しない出来事としていつやってくるかもわからない。まるで即興劇のようにセリフも役割もコロコロ変わる毎日だ。それすらもそうなるようにあらかじめストーリーの中に含まれているのが人生だとも言える。だから、その時々で迫真の演技ができるあなたは素晴らしい役者であり、だからこそ人生という茶番劇を楽しむことができているわけだ。大切なものは失うようにできている。逆にそうでないものに振り回されるのも含まれている。それがまさに我が人生であり、そうだからからこそ人生を謳歌しているわけだ。

名役者

あなたはこれまでも、おそらくこれからもずっといい役者として演技を楽しむだろう。それでいいわけだ。いつか千秋楽を迎えて、あなたの人生の出演者と打ち上げを楽しんだりもするだろう。登場人物全員が勢揃いして観客に頭を下げるようにね。そう、すべてはそれまでの演劇であり、その時々で迫真の演技を求められているのが人生だとも言える。そして、あなたは振り返ってみてもかなりの名役者だと言えるね。本気で心配し、本気で喜び、本気で嘆き悲しんできた。その一つ一つを丁寧に大切にあなたの役割をそこで見事に演じきったわけだ。ときには泣きぬれて涙も枯れるほどの表現をしたり、ときには喜びにあふれて全身を使って人生の舞台の端から端まで駆け巡ったわけだからね。そして今また次のステージに向かっている。同じ演目をずっと安定的に演じることができるようになったと思えば、あなたには違う役を与えられるようになることの繰り返しだ。

巡る季節

寒い冬がもうすぐ終わって、また新たな配役が決まる春がすぐそこにやってきている。そのためあなたはそれまでの衣装も変えて違う自分を演じる準備をしているわけだ。これまでの共演者との別れと、これから新たな舞台のための出会いがそこに待っている。さて次はもっとうまく演じきることができるだろうかと不安と期待が入り混じった状態だろう。でも大丈夫だね。その思いはもはや初めての体験でもなく、何度も経験してきて手慣れたもんだからね。次のステージではどんな役が与えられるのかを考えたところですべては杞憂に過ぎないことも知っているはずだ。その場で即興劇に備えるには、まずは体力と気力を充実させて、健康でいることが最優先だ。それさえあればどんな突発的なアドリブであってもうまく打ち返す能力がすでに備わっている。ベストを尽くすとはそういうことであり、台本を読み込まなくてもその通りにはならないから、横目で見ているだけで準備万端だね。そうやって次の幕開けに備えていればいいだけのことだ。