ヒーローは儚い夢のごとく
期待外れ
まぁ、面白いぐらい期待は外れていくね。それはあなたが勝手に思い込んでいることが実現しなかったということだ。それが叶うなんて牧歌的にも程があるということは、あなたが他人に対してはすぐにわかる簡単な理屈だ。けれどもあなただけは彼らと違って特別な存在だと思い込んでいるから、あなただけはその他大勢とは違うとなぜか信じているわけだね。冷静に考えればとても滑稽なことなんだけれども、当の本人のあなたからすれば大真面目にそれを信じて期待している。その結果、もちろんあなたの独りよがりで物事が進むわけもなく、勝手に盛り上がって勝手に失望している状態だね。さて、どうしてあなただけは特別な存在だと勘違いするのか、ということが一番の問題点であり、それが唯一の根本的な原因となるのだけれども、それをうまく説明できる人はおそらくはいないだろう。
なんとなく
そう、あなたは世界の中心にいて、あなたの世界はあなたが見ている風景そのものだと思い込んでいるわけだ。いつも考えの中心や推論の根底にはあなたという存在が必須だね。だからあなたがこうあるべきという根拠は、あなたがそうだから、ということに落ち着くわけだ。ところがその説明をせよと言われた瞬間に、論理的な説明は不可能であり、途端に感情論にすり替わってしまう。気分がそうだからだとか、なんとなくそう思ったというのが根拠であり、それがわかったとしてもまさかなんとなくそう思ったからです、というのはさすがに憚れることは気づいていたりする。だからなんとか理屈をつけて、論理的な言い訳を生み出そうとするわけだけれども、どこまでいってもそれは普遍的ななにかとして取り出すことはできないままにいるわけだね。
直感
優れた経営者は美意識を大切にしていると言われている。おそらく人間性としてはあなたとそれほど差異はない。彼らは彼が信じていることをいわば強引に貫き通しているだけだ。下手に論理的に説明して格好をつけようともしていないし、むしろ勝手な思い込みだと開き直ってそれを他人に押し付けているわけだ。ところが彼らはそうしているにも関わらず、なぜかそのまま受け入れられていることが多いわけだ。それはそもそも独りよがりでない存在なんてどこにもいないという真理をさらけ出しているわけだし、周りの人々もそれに大いに共感しているからだ。論理的な説明などそこには一切不要なぐらいの圧倒的な存在感がなぜかそこにある。理屈で人は動かず、かといって感情的になる時間も短い。ときには道徳から多少外れることが許されるとしても、それもほんの少しだけでないと途端に周りから不快に思われて拒絶されいくだろう。ヒーローとは生まれては消えていく儚い存在であるのは、すべてはそういう仕組みだからとも言えるわけだ。