良いことだけを予想する
想定外
おそらくはいつも想定外のことばかりでうんざりしているだろう。首尾よくうまくいくことはほとんどなく、こうなったら最悪だということばかりが再現してしまう。それはあなたがそれを願っているからかなっているとも言えるわけだ。そううまくはいかないだろうと強く念じれば念ずるほどそうなる。悪い予感は的中することが多く、良いことは当てにならないね。だからいっそのこと良いことだけしか起こらないと思えばすべては解決だ。そう言われても納得し難いだろうね。だってそれすらも信じられないわけだから、疑心暗鬼になっている状態ではどんなアドバイスにも耳を貸さないだろう。だから、ほらやっぱりそうなると思ってた、というオチになるわけだ。でも冷静に考えてみるとすべて100点満点で終えたことなんて何一つないだろう。要するにそれをどう見ているか、という視座の問題だと気がつくだろうか。なんとなくでもうまくいかないのかもしれないと思っている時点で、想定外と言いながらも想定内だとも言えてしまうわけだ。
予想屋
そうやって未来を常に悲観的に捉えるクセがついてしまっているわけだ。そうしておけばいわば保険をかけているようなもので、やっぱりそうだったという実感をただ得るためにそうしているなんて、馬鹿げたことをやっているわけだ。けれども、そう思っておけばあなたがとてもがっかりして気を落とすことを多少防ぐことができるね。だから嫌な予感を常に探していることになる。脳天気にやっているように見える友人に苛立ちを覚えてしまうのも、そんな見込みが甘いやつがうまくいくわけがないという気持ちからそうなっている。でもどちらが幸せな人生だろう。嫌な予感を的中させる予想屋として君臨しようとでも思っているのだろうか。ほらみたことか、そらみたことか、と膝を打って喜んでいるのは滑稽だね。そして多くの場合、他人に対する批判的な予想は外れることが多いだろう。なんであんなやつがと思っていても、驚くほどトラブルもなくすんなりと物事を収めている様子をみて、あなたはまた苛立ちを覚えるわけだ。
問題
そうしたことを鑑みるに、問題か問題でないかはあなたの処理の仕方であるということだ。問題を問題だと大騒ぎするのか、それすらも感じないのかはあなたが決めていることになる。もちろん他人からの指摘で社会的な問題に発展することもあるかもしれない。けれども、それもそれ以上に大きくしているのは大抵の場合あなたが犯人なことが多いね。誰でも失敗するしミスもあるだろう。そのときはそれに対して淡々と対処していけばいいだけのことなのに、そういうあなたを見て誰かが批判の声を大きくするだろう。先のあなたのように嫉妬心からそうすることが多いね。でもそれを受け止めるのか否かもあなたが決めたら良いだけのことだ。大問題だと言われたところで、ふーんそうなんだと受け流しつつ決してそれに答えないことが、平然とするコツでもある。問題はその瞬間の歪みたいなもので、それ以上でもそれ以下でもない。地面が波打っていてそこにひっかかってコケたなら、起き上がればいいだけのことだ。その瞬間に問題はすでに消え去っているのだからね。