打席
負けないこと
人生は勝負ごとだと捉えてしまうと、負けることがだめなことだと感じてしまう。だから、あなたはいつも勝ち筋を探しているわけだ。ところが、勝負事なのでずっと勝ち続けることは難しいね。ときには勝つこともあるだろうけれども、負けることも必ず起きてしまう。そんなとき笑って過ごせるならそれも悪くはないだろうけれども、そのことばかりが悔しく感じ続けてしまうとマイナスの部分が大きくなってしまう。次こそはと思って肩に力が入ってしまうと思わぬところでミスをしてしまう。それでまた自己嫌悪に陥るわけだ。普段はなんともないことでさえ、なんだかうまくいかないようになったと感じてしまって自信を失ってしまうからだ。どうやったら勝てるだろうと考えてみてもその確実な方法などはどこにもなく、正解がない問題に対してあなたはいつも決断を迫られてしまうわけだ。心が休まる暇もない状況での決断は大抵の場合は良くない方へ向かいがちだからだね。
受け入れる
だから負けは負けとして即座に受け入れることが大切だね。それはどれほど悔しい気持ちになったとしても今からそれを変えることはできないからだ。そこからやり直すことはできないけれども、学ぶことはいつでもできるのだから、それを受け入れて次へつなげることを考えたほうが建設的だ。そうして前向きになれたなら、それをもとに新たなチャレンジをする余地ができる。そうして負けを負けだと素直に認めることが、実は次の勝ち筋へとつながるわけだ。気持ちを切り替えるスピードが速くなれば、あなたは次々と新たな試みを思いつくだろうし、それを小さく試していくことができるわけだ。どんなに優れたバッターでも、打席に立たなければ安打は打てないのと同じで、あなたが尻込みしている時間が長くなればなるほどあなたの打率は改善することはできないね。だからまずは打席に立つことが必須なわけだ。そのためにもまずは受け入れることが鍵となるわけだね。
そこにいる
だから勝っても負けてもいつもと同じように打席に立つことが一番大切だね。そしてそうやっているうちに打てないことも普通になる。どうしても勝ちたいと思っていても、負けることがあるからこその勝ちであり、それが日常であればいちいちそれに対して大げさに反応することもなくなるだろう。そうして気がつけば負ける数と勝った数が同じぐらいになり、いつの間にか勝ったことが多くなっていくような仕組みだね。あるいは普段はいまいちであったとしても、ここ一番でヒットを打つことさえ経験することもあるだろう。あれは最高だったという経験もできることで、人生とはなんぞやということをそこからなんとなく感じられるようになるね。そもそも勝ったり負けたりという結果よりも、あなたはその打席に立っているという事実の方が大切だったというわけだ。それもいつかはできなくなる日がやってくるだろう。それまでは立ち続けるだけで勝負を超えた喜びをそこに感じることができるだろう。