AIしてる?
AI
あなたの代わりに色々と知恵を授けてくれるようになったのがAIと呼ばれる外部記憶装置だね。世界中のあらゆる知見をさくっとまとめて、こんなのどうですか?なんて数秒で提案してくれるわけだ。それであなたは有能な秘書を抱えたのと同じような気分になっているね。どんな質問でもそれらしく答えてくれて、一見それほど間違ってもなく、飲み屋の親父に聞くよりか学術的に感じてしまう。これは世の中変わるぞと感じている人が多数いて、あなたもその波に乗り遅れまいと必死だ。ところがいざなんでも聞いて下さいね、なんて言われると質問そのものが近くの美味しい食堂はどこ?ぐらいしか出てこなかったりする。そこに人類の叡智がつまった巨大データベースがあるというのに、そこに聞く質問があまりに陳腐すぎて自らを呪う羽目になるわけだ。それぐらいあなたは知らないことすら知らない状況で毎日を過ごしているという再確認をさせられるわけだね。
問いを立てる
そこで気がつくのは、あなたはこれまで少しばかり博識ぶったり、覚えるのが得意だったり、与えられた問題の解き方や正解を導くことばかりに人生を費やしてきたということだ。だからいざなんでも聞いて下さいと言われると途端に困るわけだ。あなたが問いをたてる練習がまるでできていなかったからね。一方で、人に問題を出されることにはすっかり慣れていて、おそらく出題者の意図はこうだろうなんて深読みすらできるようになっている。これまでずっと誰かの問いに答えるばかりで、あなたが出題者ではなかったわけだ。そしてそれが有能さだと思っているし、それが評価ポイントだと教えられてきた。だからあなたはいつも問いかけられるのを待っている状況だね。まるで最近のAIのようでもある。何でも聞いて下さいというのは、実はあなたの本領発揮の分野だったわけだ。もちろんすべてがわかるわけではないけれども、AIに人間味を感じる部分があるとすればあまりに抽象的な質問には答えられないところから感じているだろう。
未来をつくる
それでもAIが今後もしかしたら世界を一変させるイノベーションかもしれないと期待が膨らむわけだ。特に生成AIで様々なクリエィティブを生み出すさまは、あなたの人生観さえ変えてしまうぐらいのインパクトがあるね。それと同時になんだか人が化け物のように手足や骨格が歪んでいたりするからちょっと安心するわけだ。AIといえどもまだまだだなとね。しかしこれまでの経験からして、それもじきに超えていくだろう。それぐらいのスピードでどんどん進化している。面白いことに進化すればするほどAIにも個性というか歪みが生まれ、悲観的な答えばっかりに偏ったり、ハルシネーションを起こして妄想を語りだしたりするようだ。まるであなたの頭脳と同じようにね。さて、これからのあなたはAIという相棒とともに歩んでいけるだろうか、それとも決別するだろうか。この流れはしばらく続くだろうけれども、あなたの相棒となりえるかどうかはまだまだわからないね。