結局予定調和なのよ

日々

ほらやっぱり

いいことも悪いことも思った通り。できれば悪いことは起きないほうがいいけれど。例えば無駄足を避けたいから、事前にお店に電話して欲しいモノの在庫確認をするね。そうすると「ありますよ」と明るい声で店員さんが教えてくれる。ああ、よかった。最寄りのお店にさくっと行けば手に入るな。と思って電話を切った後、ふと悪い予感がよぎる。あれ?特に注意深くも話さなかったけれど、自分が思っているモノじゃない確認をした感じがするな。もう一度電話する、どうする?まぁでも、なかったら別の最寄りの店にもいくことができるし、とりあえず杞憂かもしれないから行ってみるか。今は暑い最中だから、日が傾きかけた夕方に家をでることにしよう、と決めたわけね。

雲行きが怪しい

ああ、最近は夕方になるとゲリラ豪雨で激しく雨が降ることが多いな。そう思ってとりあえず折りたたみの傘は持ってきたよ。でも、土砂降りの雨には対抗できっこないから、そのときは雨宿りを近くでしないと。そう思いながらテクテクと歩いてめぼしい逃げ場所を探しつつ目的のお店まで歩いていく。すると、お店が見え出してあともう少しっていうところで、ちょうど雨がポツリポツリと降り出してきた。ほら、やっぱり。でも傘をさす距離でもなくちょうど降り始めにお店の中に入ることができた。ラッキー。

悪い予感は的中

そのまま、店員さんに先ほどお電話で確認した者ですが、と告げると、あ、はいはい。少々お待ちくださいなんて言われて裏に回って探し始めてくれている。ちょうど雨が本格的に降っているしタイミングはバッチリだな。ちょっと今日はなんだかんだで順調、順調。いつもちょっと心配性というか疑ってかかる癖なんて持たないほうがいいな、などと思ってしばらく待っていた。まぁ、そうなると心に余裕が出てきて、他にも買って帰るかと思うものもいくつか思い浮かべながらね。すると、思っていたのと違うモノが目の前にどどーんと現れて、さっきまでの店員さんの笑顔が消えてたわけ。ああ、電話で感じたなんとなく伝わってない感じが蘇るわけね。ほら、やっぱり。

プランB発動

すいませんと申し訳なさそうに言う店員さんに、もう一つ別の場所のお店には在庫はありますか?と聞いてみる。すぐに店員さんは確認するためにまた裏へ消えた。ずっとレジの前で待たされているわたし。でも、どうせ雨降ってるし、特に店内はエアコンがきいてとても涼しい。まぁ、いくつかの不安は的中してしまったけれど、これはこれでアリだななんて思いつつ、次の最寄りのお店までいかに濡れないで辿り着けるかの道順を考えていた。家を出る前に、ついでに近くの飲食店で夜ご飯でも食べに一緒に行く、なんて会話も思い出しながら。あれこれと逡巡して「それは今度にしよう」と断った自分を褒めていた。この土砂降りと近くの飲食店の距離からしてうーんどうしようかなと思ったのと、さらに目的のモノも手に入らずとなる可能性をどこかで感じたからそう判断したんだよね。まぁ、あの時のわたしは珍しく賢明な判断をくだしたな。ほら、やっぱり。えらいぞ俺。

物語は続く

幾分時間がかかったとはいえ、めでたくもう一つのお店には在庫があって、さらに取り置きまで手配していただいた。ありがとう。といってそのお店を後にして、もう一つのお店に向かう。ちょうどその頃には雨脚も少々弱くなってそれほど不快な思いをせずに最寄りの駅に逃げ込んだ。おお、計画通りじゃないか。と思いつつ濡れた傘を畳んで電車に乗り込む。そう言う時はなぜか電車もちょうどいい頃合いできたりもするね。そこからはスムーズに事は運び、目的のお買い物をゲットして、お店を出る頃には雨上がりの夕焼けが足元の水たまりにキラキラと反射していて、別世界にワープした感じだった。暑かったのも雨がざっと降って和らいだせいかとても気分が良かったので、そこからテクテク歩いて家路に向かうことにした。ちょうど下校時間と重なって、こどもたちが手を繋いで目の前を歩いていた。それを後ろから眺めながら束の間の充実した時間を噛み締めていたわけよ。

いいも悪いもあたり

何かをやろうとしても、思い通りになんていかない。だから不安になったり疑ったりする気持ちがいつも心を支配して身動きできないようになるけれど、結局どうにかなるわけなんだよね。いいも悪いも大筋では思った通りになっている。だからまずは一歩踏み出して思った通りに「思い通りにならないこと」を感じている事そのものが、実はとっても大きな幸せに包まれているだよね。なんて思いながら自宅に向かって歩いているうちに、あら、またすぐに蒸し暑くなってきたな。ああ、ほら、やっぱり。電車に乗って帰ればよかったなんて後悔し始めているわたし。ほんと、人はわがまま。ちょっとだけ自分で自分を笑ったよ。あはは。