ワクドキ人生
受容
日々起こる出来事をそのまま受け止めるだけで十分だ。でも、起きて嬉しいこともあれば、起きて悲しいこともある。どうしてそう思うのかをその時は考えないけれども、その原因をちょっと探ってみればすぐに行き着くのは同じあなたがそう思っているということだね。嬉しいとか悲しいという絶対値はどこにも見当たらず、あなたにとってそれがそうなんだということだけが根本原因だ。さらにそれを探ってみよう。その根本を探してみると、なんてことのないあなたのプライドだったりこだわりだったりするだけで、普遍的な真実でも正義でもなんでもないことが多い。今流行りの言葉で言うところの「それってあなたの感想ですよね」という言葉に残念ながら集約されてしまうわけだ。もちろん感情に支配されてしまうのが人間であり、それを避けようにもとても難しいのもその通りだ。でも、その根っこはやっぱりあなたの思い込みでしかないという厳然たる事実もそこに横たわっている。
変化
だから賢者はなんら根拠のない感想に左右されないでいる術を知っている。あなたもそれを見聞きしたことがあってもなかなかその瞬間に心が動じないまでのスキルはないわけだ。好きな人があなたのもとを去っていけば悲しいし、嫌いな人があなたから離れないままだと苦しいわけだ。どうもこううまく行かないと嘆き悲しむのも無理はない。もちろんその場で癇癪を起こすことだけは我慢できる。けれどもその衝撃は大きく、うろたえないで平静を保とうとするだけで必死だね。おそらくはその姿は誰かに見られているだろうし、誰かにもなんとなくあなたがいつもとは違うということを感じ取ることができるだろう。しかしながらそれはそれで良いとも言えるね。ありのままそのままを受け止めるということは、冷静なあなただけではなく、心を突き動かされたあなたも含まれているからね。もう冷や汗と涙をこらえて必死に耐えている姿から、あなたのすべてが漏れ出ているのだから。
虚飾
そうやって本心とは裏腹なあなたを演じることで、なんとか毎日をやり過ごしている。もちろんその中でも心穏やかな瞬間もあるわけで、すべてがそうであるわけではない。だからこそパニックにならずに済んでいる。いつの間にかあなたの心は多少の出来事では動かないぐらい鈍感になっていく。もう若い頃のように混乱してどうしようもなくなることもなく、ある程度の想定外のことが実は経験を重ねていくことで想定内と変化していくわけだ。そうしてあなたはワクワクしたりドキドキしたりしにくくなっていく。それはまさに生きながらにして死んでいるようなものでもある。いつもと違うことをできるだけ避けて、新しいことを受け入れるための咀嚼も億劫になっていくわけだ。そして、まぁ世の中そんなものだと呟いて自分自身に言い聞かせるようになる。それは平静を保つとか心が乱れないようにするということとは全く違うための行動だということに気がつくだろうか。なぜなら究極のところのあなたを守るためだけのごまかしだからだ。だから無根拠でもいいし、傷ついても動揺しようとも、ワクワクする方へ軌道修正した方がいいよ。