白紙に戻す力
良き仕事
あなたはいつも義務感から仕事をこなしている。それをやらないといけないと思っているのがその原則となるわけだ。しかしながらちょっと立ち止まるとわかるけれども、なぜそれをやらなければならないのかという問いを繰り返してみると、実はそれほどの根拠が見つからなかったりする。そう、あなたは生きる糧を得るために仕事をしなければならないと思い込んでいるけれども、その貢献はそれほどのこともでもなかったりする。それを世間ではブルシット・ジョブなんていうクソつまらない仕事だったりしてショックを受けてしまうわけだ。なにかしなければ生きていけないと思い込んでいるだけで、それがなくなっても社会はそれほど困らなかったりする事実を知ってしまう。でも、当座のしのぎとしてそれがなくなるととたんにあなたは生きる糧を失うことになる。結局のところ誰が一番困るのかということで言うと、それは紛れもなくあなたという結末になってしまうね。
好きを仕事にする
いっとき、好きを仕事にするなんていうキャッチコピーが席巻したことがある。でもそれも今はあまり流行らなくなってしまった。それはAIの登場によって、好きを仕事にするなんていうことすら必要もないという事実を突きつけられたからだね。そう、もはや現代では働くことですら不必要だという厳然たる事実をあぶり出してしまったわけだ。人類が生きる糧を得るために必要な労働など、もはやそれほど多くはないという現実を目の当たりにしたとき、それでもそれをやらなければ収入源が絶たれてしまうという恐怖に怯えることになる。だから真実を知るということはある意味残酷なことでしかなく、それに特化して、ややもすればそれを成功体験として自慢してきたあなたの過去を全否定されてしまうような時代となった。それはよく考えてみれば遅かれ早かれいずれは来る必然的なことであったわけだ。ところがそんな変化をあなたは歓迎できずに悶々としている。だって、それがいつの間にかあなたの存在して良い根拠にすり替わってしまっていたからだ。
働くということ
結局のところ、あなたは誰かに感謝されることで、あなたがそこにいて良いんだという確証を得て生きてきたわけだ。ところが実はそれは必要もないことをわざわざ生み出して創作していた単なる無駄なことだと明かされてしまったら、次にあなたはどうしていいかわからなくなってしまう。あなたの存在価値を証明する唯一の手段をばらされてしまったら、あなたはそこで絶望の淵に立たされてしまう。もはやあなたという尊厳そのものも危うくなるわけで、猛烈に反対する気持ちは止めることができない。でも一方でそれを看破していた人たちは、まぁ、いよいよそういう時がきたと随分も前から予見していたわけだから、次の施策を打つ余白をすでに持っている。もちろんそれもいずれは無駄だと判定される日も見越してのことだけれども、そうやって手を変え品を変えて世間を渡りぬく強かさも同時に鍛えていたわけだ。さて、どちらが変化に順応できるかは一目瞭然だね。それはいつでも遅すぎることはないのだから、あとはあなたの功績や尊厳をいつでも白紙に戻すことができる力を身に着けることが大切なんだよ。