どんぐりの背比べ
足りない毎日
忙しい毎日を送っていると、少しの休息も宝物となる。お金が足りずに苦労していると、少しの援助が希望になる。そうやって不足を感じているとき、あなたはほんの少しの充足で幸せを感じられる。だからずっと幸せだとかずっと日曜日だとすぐに飽きてしまうわけだ。だからそれを無視して、さらなる不足を探し求めるようになる。でもすでにほとんどが満たされている状態なので、その不足を追い求めるのも骨が折れるわけだ。そういう構造だから、あなたが忙しい毎日を送っているのは、幸せに最も近づいていることと同じだし、お金に苦労しているときは、そのありがたさが最高になっている状況だとも言い換えられる。だからそれでいいわけだし、それ自体があなたを幸せにしてくれる条件を揃えてくれているのだからね。
充足
ところが、もっと幸せになろうとしてあなたは必要もないことを探し求めている。そうだからこそ、なかなか手に入らない高難度なことばかりとなる。それを追い求めるのはもはや不要だとも言えることばかりなのに、それがないとだめだと思い込んで苦しんでいる。なかなか思い通りにならないとき、実はすでにあなたは幸せの絶頂にいるということに気づくことができれば、あなたは穏やかな毎日を過ごすことができる。冷静になってあなた自身の状況を見つめることができれば、あなたの持ち物や何気ない毎日がどれほど多くのモノや人に支えられているかを感じることができるからだ。しかしそれらはいつも所与の条件としてゼロにリセットされてしまうから、どんどんさらなる欲求を満たすためにはとんでもないコストがかかるという悪循環に陥ってしまっている。それを馬鹿らしく笑うことができればもうあなたはこの世を謳歌するしかないね。
足るを知る
いつの間にか誰かや何かと常に比べて、あなたのモノサシは上下しか測れない。そのモノサシを横に向けるべきなのに、ずっと縦にしか使えないとそうなるわけだ。さらにその高さを競うばかりで、それ以外を無視して範囲外としてしまうことで、どんどん息苦しい世界となっている。誰かより上だとか、先輩だとか、優れているとか、そんなことばかりしか見えない世界だからね。しかも大きいことは良いことだと信じてやまないわけだから、下へ下がることは苦しみとなる。それを横に向けるとどれだけたくさんのモノに支えられているかという幅がよくわかるというのにね。ついには月にまで届くモノサシを持ち出して、それ以上の高みを目指そうとするのなら、あなたのライバルはさらに宇宙の果までのそれを生み出すだけのことだ。それがあなたの苦しみを生んでいる元凶だとすれば、それをやめて正しく測るだけで幸せと感謝にあふれる世界へと変貌するわけだよ。