化学反応

日々

生命

生きることは幻想だといっていい。生物学的には動的均衡なんていうけれども、ミクロのレベルで見れば化学反応でしかないわけだ。そこに魂とか愛とかはその視座では見えてこない。もっと深淵に追求するとこの世の化学反応や物理法則すべてをひっくるめて愛だと言ってもいい。抽象的で概念でしかない愛という言葉でまとめるのは科学的思考からするとタブーだけれども、ある意味どうしてそうなるかをどれだけ解きほぐしたとしても、その根本は謎のままだね。分子や原子、現代では素粒子が存在すると仮定すること自体が演繹的にそうなっているだけで、どうして存在しているのかという究極の問いには誰も答えられないわけだ。ある意味夢の中で起きる様々な現象を分析しているかのようで、そもそもそれらはどうしてあなたの眼の前に出現したのかという問題は、手つかずのままとなるからね。なんとなくそれらはぼんやりと気づいているから、神とか宇宙の法則とかなんだかんだで一旦おいておくぐらいしかできないわけだ。

他人

とても気の合う他人がいる一方で、どうしてもどうやってもわかりあえなそうな他人もいる。そしてあなたはなぜかすべての人に受け入れられたいと思っているわけだ。それはどこからそうなるのかを探せば、単純に寂しさということに帰着する。ならどうして寂しさを感じるかというと、あなたがそこにいるという確証をどうやっても得られないという感覚からだ。すなわち存在を前提としているものの、その存在を証明しようとしたときに、あれもこれもこれだという確信が得られないものばかりだからだね。だからせめて愛されているという実感が欲しくて、いわばどうでもいい人であってもどうでもいいと思うのに頑張らないとそう思えないわけだ。すべての人に受け入れられることであなたはおそらくホッと一息つくことができると心の底では思っている。その安心感を得るためにほぼすべてのことの動機づけがそうなっているに過ぎないわけだ。

永遠

すなわち、他人とわかり合いたいと思っているあなたは、その他人を出現させている根本はあなただということだね。となると誰と争ったり、誰と喧嘩しているのかという本質的な問題は、実はすべてあなたが原因だということになる。もっと言えばこの世と見ているあなたの世界には、実はあなた一人しかいないといってもいいね。他人をどう見るかはあなた次第だし、その他人やわかりあえていると思っている友人でさえ、あなたはそのすべてを知ることもない。ただただあなたの世界では、あなたが設定したキャラクターがそこにあるだけのことだからね。すなわち愛だと言える。その愛は期限付きなものであるならば打算であり、一種の取引でしかない。本当の愛はあなたの背後にずっとある永遠の謎のことだ。もしかしてその謎が解けるとき、あなたも永遠だと気づくだろう。あなたはどこにもいない一種の化学反応でしかなったとね。