流行ってる
その話題で持ちきり
いつの時代も流行するものが生み出されるね。今ではブームとかトレンドなんて言うのかな。皆がこぞって「これがいいのよ」「今はこれがおしゃれ」なんて「せーの」で同じように思うことなんてどうして生まれるのかな。よく考えてみると不思議な現象だね。トレンドに敏感なあなたは、その流れに乗り遅れないように即座に「反応」してしまうね。どうせ「いっとき」のことなのは知っている。知っているからこそ、急がないとね。今すぐその大きなうねりというか波に乗ろうとする。でないと、あっという間に次のブームがきてしまうからね。その発端となるのは、だいたいは有名人やマスメディアがそう伝えることが多いのかな。これからは「これが流行るわよ」って知るや否や「わーっ」とその方向に走り出す光景は、なんだか先生の号令で動く体育祭の行進演技みたいだね。一過性のうねりに右往左往して「これはいい」の大合唱を何度も繰り返し見てきたし、いつも探している。なんだか滑稽な感じもするけれど、ファッショントレンドなんて一昔の流行がぐるっと一周してまた繰り返されるんだって。どうしてそうなるのかな。
権威と支持
わたしのような単なるおっさんがある日突然、声高にこれからは「これで決まり」なんて言っても、おそらく誰も相手にしてくれないだろうね。そこは冷静に「おまえが言うな」って反応すらもなく、完全スルーだよね。それなりの人が説得力を持って号令をかけないと、人々を一方向に動かすことは難しいね。そもそも説得力とは、権威に裏打ちされているからこそ持ち得る力。権威とは多くの人が支持していることから生まれるね。そういう発信源でないと、そりゃ誰も相手にもしないし、そもそもたくさんの人に語りかける手段もなかった。でも今ではネット上でたくさんのフォロワーを抱えている人がどんどん現れているね。そういう人をインフルエンサーとよんで、一昔前では憧れの有名人はテレビやラジオや雑誌というメディアの中の人だったけれど、今ではスマホの中にもいるようになったね。
集団心理
流行という現象が起こるには、二つの相矛盾した心の動きを利用しているね。「特別なわたし」と「みんなと同じわたし」という心理だね。誰もがまだ気付いていないけれど、「時代の流れを敏感にキャッチできるわたし」がいて、それを見て「こぞって真似するわたし」が同時にいることで流行が生まれるんだよ。それで皆がブームに乗って同じになると、「特別なわたし」はそれに飽き飽きする。だからまた「皆と違う、特別なわたし」を探し始めるというサイクルだね。そうやって民衆の嗜好をくすぐることで、うまく世の中を回してきた。そう、流行には必ず「仕掛け人」が隠れているね。あっという間に広げるための心理操作が上手だと、常にブームを巻き起こすことができる。多くの場合は「誰かががっぽりと得をする」ように仕掛けられている。でも最近ではちょっと様子が変わってきたね。インターネットという個人を簡単につなぐ道具が発達したおかげで、経済的な動機よりも、フォロワーやファンを増やすために、ブームを仕掛ける。バズらせるために試行錯誤している時代。つまり影響力を大きくするために、影響力を使うみたいな感じだね。それがうまくいけばトレンド発信人として認められるわけだね。
今日は暑いですね
見知らぬ人をくっつけて、自分のフォロワーに変えるとっかかりはいつの時代も「共通の話題」が必要だね。以前はその子と仲良くなりたくて、初っ端にどんな話題を切り出そうかと困ったら、とりあえず「天気」の話なんかで会話を始めたもんだね。けれど今では切り出す話題にも困らない。同じ趣味趣向の人のコミュニティを作ることがとても簡単な時代。その「共通の話題」をたくさんの人に向けることに成功すれば、流行という大きなうねりを起こせるかもしれない。今後の流行はそこが原点になるのかな。となると、そのうねりをうまく生み出すために「いつもやっておくべき」ことは、「共通の話題」を好む仲間づくりとなるわけね。それに答えてあげたい信者をどんどん増やす。「好感度アップ」して多くの人に支持されることがファーストステップになるね。
流行りすたり
流行りの洋服の色とか素材なんて、実は何年か前にそういう組織の会合で決められているんだってね。そうやって入念に下準備をして発信されているのが流行の仕掛け人の裏側だね。あるインフルエンサーが「これがいい感じ」なんてうっかりネットで発信してしまい、それがちょっとしたトレンドになるなんていうのは、つい最近のことなんだよね。いずれにせよ、流行り廃りを生み出しているのは、あなたが原因ってこと。皆とはちょっと違って特別なセンスの持ち主でもあり、皆と同じで流行りに乗り遅れないあなた。流行りすたりなんてわたしは気にしないというあなたもよ。ちょっとびっくりだね。
さて、目の前のこの「ビックウェーブ」にあなた乗っちゃう?それとも、あなたが仕掛けちゃう?なんてね。