夢のからくり
夢と現実
夢を叶えるためにあなたは努力を続けているね。でも一方でそれは容易くは叶わない。少しずつ夢に近づくように日々活動をしているはずなんだけれども、なぜか三歩進んで二歩下がるみたいな進捗具合だね。それはあなたが夢を見るための必要条件だと気づくだろうか。現実が夢とはかけ離れているからこそ、夢にパワーが注がれる構造だね。逆に夢と現実がとても卑近な状態では、すぐに夢は叶ってしまってなにか物足りない感覚になるのはそういう理由からだね。だから夢のような時間がほんの少しだけしかないのも、その夢が本当にあなたにとっての夢となるように、その影は長く大きくしなければならないということだ。この物理法則のような作用、反作用の構造は、善悪でも、幸せ・不幸でも、好き嫌いでも同じように当てはまるわけだ。現実が厳しければ厳しいほど、逆風が強く吹き荒れていればいるほど夢はでっかく肥大化するわけだね。
夢を叶える
それを看破すれば、夢なんてものは持たないほうが楽になることに気づくだろう。山あり谷ありの急峻な道のりを進むよりも、平坦であるほうが変化と負荷が少なくなるからね。だからだいそれた夢など不要だと思うわけだ。小さな夢や幸せをいくつも重ねて生きるほうが、結局のところ急展開もなく、安定した毎日になる。もちろんそれがあなたがいつも言う退屈でつまらない毎日だと呪う日々となるわけだ。ならドラマティックに日々をサバイブしていく選択肢を取るかどうかだけの問題となるね。夢を叶えて大成功したいのならば、それこそ万人が同情するような悲惨な幼少期が必要となるだろうし、世間が好む下積み時代の苦労話が添え物として必須となる。そんなものはなにもない、ただの成功者として存在しているのならば、嫉妬の対象として揶揄されてしまうのもその法則が適用できない不満からそうなるわけだ。
手放し
執着を捨てて生きるという教えは、その原理を説いているわけだね。どうしてもやってみたいことがあるのならば、どうしてもやれない困難を生み出さないと成立しない。だから絶対に無理だろうという大前提をまずは作ることから始めるわけだ。逆にやってみたいと思ったら、その瞬間にできたことに対しては、執着する暇もないわけだね。そしてその成功をいつまでも自慢するわけにもいかず、誰かに称賛を浴びることすらないだろう。息を吐くようにできることにいちいち立ち止まっていればそれはそれで不幸になることぐらいは知っているからね。結局のところ、あなたは自慢できるような大成功を収めたいがためにでっかい夢を叶えてやろうと目論んでいるだけなんだ。誰もが羨むお金持ちになって、有名人になって、贅沢三昧な暮らしをしたいと心から思っていると思い込んでいるけれども、実はそれは本当の意味でのあなた発の夢ではない。さて、あなたが本当に叶えたい夢はどこにあるのだろうね。