逃げ上手

日々

逃げる

嫌なことがあれば逃げるが勝ちだ。なにもそこでとどまって我慢する必要などどこにもないのが真実だ。そんなことはないと思ってるから逃げられない罠にハマっている。敵前逃亡するが勝ちだし、そもそも戦うから勝ち負けが決定するのだからね。ただ、逃げると卑怯だとか良くないことだと幼き頃から刷り込まれているから、身動き取れないままじっとするしか選択肢が浮かばない。それはまさにあなたの信念であり、それを形成してきたこれまでの歴史があるからだ。そこでそれを打破するためにはどうすればいいか。そこでもがき続けてなんとか解決する、という苦しい選択を強いられてしまっているだけのことだ。でもそんなふうにすぐに逃げてしまうと無責任だとか弱虫だとか言われてあなたの評価は大きく損なわれて、社会で生きるのに困ってしまうからできないと思っているね。実はそれは真実ではなく、そうやってなぜか決めつけて疑わないように仕込まれてきただけのことなんだよ。

逃げ方

だから、実は逃げる方法すら知らないままでいる。いや、そんなことぐらいわかっていると言うかもしれない。やらなければならない課題や問題ごとを無視すればいいだけのことだと思っているかもしれない。けれども実際それをしたところで実は逃げ切れるどころか、さらに追い込まれてしまうだろう。あなたはこれまで上手な逃げ方すら教わってはいないのだから仕方がないことだ。最悪な逃げ方、すなわち自らの生命を断つという方法しか与えられていなかったりする。しかもそれは逃げたフリをしているだけで、問題事に潰されてしまうわけだから、捕まってしまっただけのことになる。なら上手な逃げ方とはなにか、それはあなたの視点を移動するだけのことだ。視点を移動させるためには、あらゆることをいろんな角度から見つめ直すということなんだけれども、これができるようでできないままでいる。怒りに狂っているときは視点は固定されているし、悲しみにくれているときも視点は同じままだ。それに気づくことができるためには特殊な訓練が必要なんだ。

殻割り

そこで視点を移動する訓練をするには、あなたにとって馬鹿げていてありえないことをいつも見つめる練習を積み重ねることが必要だ。あなたがありえないと思っているそれが、実はあなたを苦しめる犯人なんだからね。あなたが気に入らないことが実はあなたを追い込む主たる原因であり、あなたがなぜそれを気に入らないのかを少しずつ分析してみるクセをつけよう。そこから少しだけあなたという自我にヒビが入ればしめたものだ。そこからあなたの知らない世界が覗けるようになるからだ。さらにいえばどんどんあなたという殻を破っていくと、その先にはまだ見ぬ世界が垣間見えるようになる。それだけであなたの世界がどんどん崩壊して、オープンワールドとまではいかないまでもあなたの思い込みのクセが溶けるようになる。逃げるということはあなたという殻を脱ぐことであり、あなたを維持しようとすることではない。そしてそれが真の意味でのあなたを守る唯一の方法なんだよ。