虚心坦懐
その先
いつもその先はなんにもない。だからこそ安心できずに不安に覆われてしまう。いつものように明日が来るだろうと思ってはいる。けれどもそれが確実にそうなるかどうかはそれまでの過去を参考にしてのことであって、本当のことは誰にもわからない状態だね。それも今に始まったわけではなく、よくよく考えてみればこれまでもずっとそうだった。でも一つだけ頼りにできる情報があるとすれば、今日という日はいろいろといつも通りに思い通りにはならなかったけれども、無事に終わろうとしていることだけだ。それを元にしておそらく明日もそういう日であるだろうと思うしかないわけだ。ということは、できれば明日は今日という日よりも希望に満ち溢れ、喜びが少しだけ多い日になるといいなと考えてしまうね。そうやってあなたはいつもなにもないことにおびえている一方で、けれどもそれまでの思い出を振り返って初めて、いろいろと悩みはつきないものの無事に過ごせていることに気づくわけだ。
空間
あなたらしく、自分らしく生きたいと思う一方で、このままではダメで、もっと幸せになりたいと思って神様に願ったりする。こんなわがままなことをたまに神様の気まぐれで叶えてくれたりすると本気で思っているね。なにか素敵なことをいつも期待してワクワクしているときもあるし、絶望でもう気分が落ち込んだりしている。そんな浮き沈みの多い毎日を過ごしている。でも結局のところそれらすべては過ぎ去った日々の思い出であって、今目の前にあるのは良いとか悪いとかもなにも色がついていない空間がそこに広がっているだけだ。そう、その空間に色をつけているのは実はあなた自身であり、そこに都合の良いあなただけのための幸せが生まれ、それを叶えてくれるあなただけの神様がいる。そして、誰かにとっては幸せなことをいつも横目に見て、あなただけの幸せをそこで探し続けているわけだ。そんなものがあなたの夢だったりもする。
わがまま
あなたが何も無い空間にそうやって絵を描いて色をつけているのは、いつも振り返った瞬間でしかない。ということは逆にいえば色をつけるその瞬間にどうにでもなるということでもある。それがいわゆる視座をどこに置くかで同じ出来事が全く違ったそれになるという仕組みだね。眠りにつく前に、今日は楽しかったという絵を描くのか、今日は辛かったという色をつけるのか、それは全く持ってあなたの責任となる。過去の思い出をそうやっていつでも書き換えることができるのなら、どんどんあなたが思うように書き換えればいいだけのことだ。そしてそれにあまりこだわりすぎるとずっとその絵は固定されてしまって、今目の前の空間の色さえ塗り替えてしまうわけだから、なにもないという自然の状態にもどしてあげることが次の絵を描くチャンスになる。だからある時点で記憶喪失になることができれば、毎日はそれほど不幸に包まれることができなくなるんだよ。眠りにつく前に感謝しつつ、それをリセットできればもう怖いものなんてなくなるのはそういうことだね。