つつがない人生
成功と失敗
成功ばかりを追い求めて、失敗を忌み嫌うようになったのは、おそらくは幼少期に受けた学校教育によるものか、もしくはその教育を受けた親からの影響だね。どう考えても成功から学び取れることよりも失敗から学ぶことのほうがはるかに有意義で多いわけだ。もっと言えば、たくさん失敗したからこそのノウハウや知見が積み重なっていくわけで、成功も同じように学ぶことがないとは言えないけれども、失敗した悔したとか今度こそと思う意気込みと本気度は成功では得られないものだ。苦い涙を噛み締めて、だったらどうする、という問いと真剣勝負で向かい合うことができるエネルギーはそれこそ計り知れないわけだね。成功への情熱もまた同じだろうけれども、そのベースになっているのはその前の失敗の悔しさだったりする。ようやく成功したとしても、それで終わりではなく、その続きをどうするかのほうがさらに難しい問いになるのは言うまでもないね。
ハングリー精神
こんなことをしたい、なんて言うと大抵の場合は無理だからやめておけというアドバイスしか得られない。そんな夢物語みたいなことが実現するわけがないとか、身の程も知らないあなたが成功するわけがないから諦めなさいというものばかりだ。もちろんそれを言う友人はあなたを嫉妬しているわけでもなく、たちの悪いことに本気で心配しているからこその言葉だったりするわけだ。けれども、すべてにおいてやってみないとわからないし、たとえやってみたところで大失敗の終わったとしても、あなたにはその経験が唯一無二の財産となる。だって、多くの人は考えてみたことがあっても、いやいやそれは無理に決まっているとなにもしないうちに、決めつけているわけだからね。それをあえて行動したあなたには、あなたしかわからない秘密の鍵をそこから得ていることは、実は誰も知らないわけだね。それが行動をした人としなかった人の一番の差となるわけだ。
バカであれ
そういう意味では変に小賢しくなるよりも、バカ正直にやりたいことをすぐにやれる人のほうがどんどんと知見を貯めることができる。もっと言えば今を生きるという醍醐味を十二分に味わっているとも言えるね。頭だけで考えて、あれこれ良い悪いばかりの判定をしている人は、一見クレバーに見えるけれども、失敗して恥ずかしい思いをして今度こそという知見は全く蓄積されないままでいる。書物で得た知識と、誰か有名人が言った言葉だけで人生が構成されてしまう事に気づかないままだ。そしてそれが常識というか、優秀さだと勘違いし続ける。辛く悲しい失敗なんて避けたほうが穏やかに生きることができるというのは事実だろう。でも、そんな体験がまったくないまま順風満帆に過ごしたところで、終わりは一緒だね。なら、生きる醍醐味というか人生のスパイスとして大失敗の一つや二つやり切るほうがさらに豊かになれるに違いないわけだ。武勇伝が一つもない人生をそつなく終えるということは、すなわち何もしないで早めに終えることとなってしまうことなんだけれども、それでいいのかという深い問いもなく終えることを選択しているのと同じだね。