なぜそれをやるのか
諦める
諦めないで最後までやり遂げる力というものが、今の世の中では美徳とされている。もちろん諦めたらそこで試合終了だ、なんていう名台詞があるように、根気よく、粘り強くやり遂げる力はときに想像もつかないぐらいのパワーを発揮することがあるね。どんなことがあっても継続するという力は、古来からよきものとして語り継がれてきたわけだ。けれども一方で、執着はあまり良くないという言説もあって、向いてもいないことを苦痛を伴い長い時間に無理をすると心身ともに疲弊してしまうという害がある。だから、無理なものは無理だという諦観も大切だと言われる。結局のところどっちなんだい、とツッコミどころ満載なんだけれども、それは額面通りにそれを当てはまるわけではなく、それ以外のパラメーターを加味しての判断が大切だということを伝えてくれているわけだ。あまりに無理難題をなんとかしようともがき続けるのは得策ではなく、かといってもう少し頑張ってみれば次の扉が開くかもしれない状況においては諦めないということが大切だということだね。
俯瞰
そのときに大切なのは、あなたが今どんな状況なのかを俯瞰できるメタ認知能力が発揮できているかどうかだね。すなわち物事にはその表面上の苦難ばかりだけではなく、それを乗り越えるその他の要素をどれぐらい予見できているかどうか、そしてそれは達成可能なのか、それともそもそも努力の方向を変えなければならないのか、ということを総合的に判断できるデータが必要なわけだ。今までやったことがないことに挑戦するとして、それが果たして実現可能性があるのか、ないのかという冷静なデータ分析と予測が立つかどうかにかかっている。もちろん不可能なことはこの世にはないという前提であっても、その目的が最終的にどのような結果を期待してのことなのかがわかっていなければ話にはならないね。あるいは、方法論ばかりでは実現できないとしても、そのやり方には複数の選択肢があるのならば、どうせ無理という前に、だったらこうしてみようという仮説を柔軟に入れ替えるぐらいのスキルが求められるわけだ。
目的地
そもそもあなたがそれをやろうとしているのは、果たして誰かと比べてのものなのか、それとも自らの目的によるものなのかの見極めが一番大切だね。今からオリンピックの選手になって世界一を目指すとすれば、その競技種目をどれにするかによって大きく異なるだろうし、今から大富豪になろうとしても、その結果何を達成したいのかによって選ぶべき手段は大きく変わるだろう。そもそも何を基準にしてそうしたいと思ったのかということが、結局のところ一番問われるわけだ。そしてそれがあなたにとっての虚栄だったり、単なる夢物語だったりするわけだけれども、はじめからそれを否定したところで何も変わらないし、かといってそれを肯定されたとしても結果は同じだろう。なら諦めるとか諦めないという次元を超えて、なぜそれをやり遂げたいと思ったのかということが一番の要となるわけだ。それが十分に精査された上でのチャレンジならば、あなたはきっと成し遂げられるだろうね。なぜならそれができていること自体がすでにゴールだといえるわけだからね。