何を買うよりも誰から買う時代

日々

満足

通販サイトでも評価という項目があり、その商品が売れる前提条件として高評価であることが必須となる時代だね。今はそれらが情報化社会によって見える化され、いつでも誰かの評価であなたがそれを参考にして選別しているわけだ。逆に言えば低評価の烙印を押されてしまうと、どれだけ頑張っても売れない結果となる可能性が高いわけだ。その仕組みを逆手にとって、いわゆる「さくら」と呼ばれるお金で雇われた人たちがこぞって特定の商品を高評価するという現象があちこちで横行しているね。だからその評価自体も真偽を見極める能力が必須となっている。単純に高評価だから間違いないと思って購入するとがっかりしてしまうことに遭遇したことも経験済みだろう。もっと言えば誰かの評価があなたと同じだとは限らないはずなのに、それが一つのセールスポイントとして重要な部分を占めている。実際に手にとって確かめることができない通販ならではの現象だとも言えるね。

飽和状態

それぐらい似たような製品を作ること自体は難しくない時代だということでもある。誰もがOEM先の工場に発注することができ、製品の歩留まりはともかくも似たような製品を作って売ることの障壁はかなり低くなっている。しかもそれらを無店舗で販売することが簡単にできる時代だからこその現象だといってもいいね。さらには、製品そのものの性能の差別化も困難で、ほとんどが似たような性能で飽和している状況だ。そういう状況下では、どれだけ安くて求める機能が発揮できるのかということが一番のセールスポイントとなる。もっと言えば同じ機能であれば安価なものに越したことはないね。有名ブランドの商品はブランディングに膨大な資金を投入しているから、製造原価に跳ね返ってしまうわけだから、到底太刀打ちができない。二番煎じのコピー商品を安く作ることができる時代においての拠り所はやっぱりそれを買って使っている誰かの評価が一番となってしまうのは必然だ。

インフルエンサーマーケティング

そんなモノがあふれている時代においてのセールスの新たな形として台頭しているのは、インフルエンサーマーケティングだね。もはや同じ買うのならば、推しのインフルエンサーが勧めるものを買うという心理が強くなりつつあるみたいだ。その市場規模もどんどん増えているらしい。誰かよくわからない評価をあてにするよりも、身近で推しのインフルエンサーが良いと言っている商品が一番購買意欲を掻き立てるわけだ。もはや製品の機能や性能などは二の次であって、だいたいはどんぐりの背比べの違いでしかない。どれを買っても同じだとすれば、逆にどれを買ったらいいのかがわからないわけだ。ステマが問題になった経緯はそこにあるね。特定の企業から多額の宣伝費をもらっているにも関わらず、もらってない友人のフリをして商品紹介するのは現在では違法となったね。でも今度はそれをセールスだと明示したうえで堂々とできるようになったわけだ。少し前のテレビショッピングが今度はネットの世界に展開されていく時代だ。それはもはや商品そのものは必須でもないという表れでもあるね。