次の扉が開く時
ルーツ
あなたには生まれ育った土地がある。いわゆるふるさとと呼ばれる場所だね。そこでいろんなことを経験して幼少期を過ごしてきた。そこから離れて大都会に暮らすようになったとしても、あなたの根源にはそのふるさとのリズムや習慣がずっと離れずにあるだろう。だからつかの間の時間であってもふるさとに帰郷すれば、なぜだかホッとすることが多いね。波長が合うというか、時間の流れ方とか雰囲気とか空気感があなたにジャストフィットするはずだ。もちろんその平凡な毎日から逃れて冒険に出るためにふるさとを後にしたのだけれども、たまに里帰りをすると自らのルーツがそこにあるということを再認識するだろう。そして異国の地で孤軍奮闘しているあなたももちろん素敵だ。でも波長も空気感もかなり違うアウェイな場所だから、少々疲れてしまうこともあるね。そこで自らが何であるかを見失ってしまうこともあるかもしれない。そんなときは一旦ふるさとというか自らのルーツを再確認するのも悪くはない選択だ。
里帰り
たまの里帰りは最初はある意味新鮮だね。ああ、ここで育った私がいるとホッとすると同時になぜそこにずっといなかったかという理由も明確になるわけだ。安全地帯であるし、なんの不自由もないその世界にとどまっていてはいけないという強迫観念も蘇るのは、それほどそこが快適すぎるからだ。苦労は買ってでもしたほうがいいと言われるように、そこにとどまって安心安全で過ごすなんの変哲もない毎日に飽き飽きしたあなたは、エイヤッと飛び出した。そしてそれこそ勝手が違いすぎる大都会で一人毎日を戦っている。そうだからこそ、知らず知らずのうちにあなたはどんどん疲弊しているわけだ。そこで時間をなんとかやりくりして、あなたのルーツを確かめるために里帰りをすると、明確にわかることはあなたは安定的な世界を過ごすよりも、自ら苦労することを買って出たわけだ。その刺激的な毎日を過ごすことで生きる実感を得られたわけだけれども、それも程度の問題であって、あまりにそうだと緊急避難的に休むことも同時に必要だと知るわけだね。
ないものねだり
結局のところないものねだりなんだけれども、それ自体が生きるモチベーションだとしたらそれはそれで悪くない選択だね。安定しているとつまらなく感じるし、不安定すぎると疲れてしまう。そうやって何度も振り子のようにどっちかに偏りすぎると軌道修正してなんとかバランスを取ろうとしている。それがちょうどうまくいったときが一番の楽しい時間であり、充実感もかなり高いわけだ。しかしながらそれは動的に刻々と変化するバランスであり、いわゆる快適なポイントはかなり狭いわけだ。だからそこをいったり来たりしているわけだけれども、もはやそれ自体を愉快だと感じることさえできれば、あなたは無敵になる。うまくいくことばかりに目を向けすぎず、かといって失敗したからといってふさぎ込むほどでもない。まぁそんなこともあるねとやり過ごす強さがあれば、あなたはそこで初めてふるさとやルーツといった次元を超えて、次のステージに進むことができるわけだ。ちょっとふるさとで骨休めができれば、おそらくはもはやそれすらも必要のない次元へ到達するだろう。
