無意味を愛する

日々

本性

あなたは、あなたらしさを誰か他のものにすり替えている。これだけ情報があふれる社会に身を置くと、それを防ぐことは難しい時代だね。スマホからありとあらゆる情報を見せられて、その中からあなたがお気に入りだと思ったそれを取り入れている。だから本来のあなたらしさなんて言うことを見つけるなんていうのは、土台無理な話になってしまったかもしれないね。情弱という脅し文句がさらにそれに輪をかける。最新の情報を知らないと損した気分になるのも、その恐怖というマーケティングによって想起させられているからね。そしてコスパとかタイパとか無駄だと言われていることを可能な限り避けて時代の最先端に身を置こうと必死だ。ヒトという生き物は群れて生き残ってきたから、取り残されることが本能的に嫌いだからだね。うっかりその術中にハマってしまうと、日々の生活が汲々としてしまうのはそういう仕組みだからだよ。

合致

しかしそういう中で、まさにこれだよ、という状況になることもある。そのときはあなたはとても幸せを感じているだろう。あなたらしさがあふれる出来事が次々と起こり、これこそがあなただという事象で埋め尽くされるわけだ。そしてあなたがあなたらしさという定義とそれらが合致して、まさにこの世の春を迎えることになる。ところがそれも長くは続かないね。冷静に見れば、そんなことは一瞬の幻であり、そもそもあなたらしさというものはその条件下においてたまたま生み出されたものだからだ。そんならしさは一時的なものでしかなく、本性ではないことをまさに経験することになる。振り返ってみればそういうこともあったな、という思い出の一つになるだろう。これまでそれを幾度となく繰り返してきた結果、あなたらしさという本来の意味を知ることになるわけだ。

こだわり

そういう僅かな成功体験を元にして、あなたらしさを再確認しようとする。ところがそれはもはや過去であり、今とは状況が全く異なるわけだから、いくらそれを再現しようとしても無理があるわけだ。だからそれに固執してしまうのは苦を呼び込むことになるね。もうそれは終わったわけだし、今ではない。しかもそれを再現するなんていう試みは、今という状況をすべて過去へと戻そうとする試みとなってしまう。そんなことは冷静に見ればできるわけがないとわかるだろうけれども、なんとかまた同じ体験をしたいとこだわるとどんどん苦しくなるのはそういうことだ。もうそれは思い出であり、今ではないからこその記憶なんだから、それは一度思い出すだけにとどめておいたほうがいいね。そんなことよりも今をしっかりと楽しむことがあなたらしさそのものなんだ。無意味や無価値や無駄だと思えること、友達との無駄話、動物とじゃれ合うこと、ぼーっと過ごすことが実はあなたそのものなんだからね。