手にしているもの
あの頃
幼い日々に見た夢を今は忘れてしまっているかもしれない。あるいはすでにほとんどそうなっているかもしれないね。夢にまだ見た現実が今あなたの目の前に広がっているとして、それはとても幸せであるはずだ。ところが実はそうではなかったりする。そのために追いかけてきたし、努力もしたし、あらゆる困難を乗り越えてきた。そしてようやくそれが実を結び始めたというのに、あの頃のワクワクした気持ちがどんどん失われてしまって、そんなことよりもそれを維持することにうんざりしている。そこで思っていたのと違う、という感覚に陥ってしまっている。あれほど夢にまでみた世界を手にしたというのに、まるで浮かない顔をして過ごしているのはもはや不幸だと言ってもいいね。もしかしたら、あの頃の気持ちを持てない状況になってしまったのならば、できればその気持ちを抱いていたあの頃が一番幸せだったというオチになってしまうのかもしれない。
希望
あなたが何も持たずにこの世に生まれた意味がそこにあるかもしれない。だからこそ、いろんなことに夢を見ることができたわけだからね。今はどうだろう。それなりに欲しいものは手にすることができ、それだけでは飽き足らずさらにもっと手にしたいという欲望がどんどん膨らんでしまっている。だからこそ、さらにハードルが上がってもはや後戻りできない状況にある。だからといってわざわざ身の回りを整理したとしても、それはあの頃には及ぼない。こうなったらいいな、という希望はもはやどんどん叶ってしまう。それでもあなたの夢は終わらないとしても、あなたがどれだけ豊かになったとしても、あなたの真っ直ぐなあの頃の気持ちには戻れないわけだ。すなわち豊かさと引き換えに、いつかのあなたの純粋無垢な夢を持つことはできなくなったということだね。ある意味それは成長であり、成功だと他人からは羨ましがられることだとされているけれども、そうなってしまったが故に何か大切なものを失ったとも言えるね。
三つ子の魂
あの頃の魂と引き換えに今の豊かさがある。そして決してそれはどれだけの富で取り戻そうとしても不可能だ。もちろんあの頃にタイムワープして戻りたいとまでは思わないだろう。けれども、もはやそれぐらいの熱意を傾けるものが今もあるはずなんだけれども、なにか少し違和感が常に伴っている。あなたはずっとあなたのつもりだし、今でもいろんな夢を叶えようとワクワクする気持ちはないわけではない。その規模がどんどん大きくなってしまっているだけだね。そしてなぜかあの頃のようにとても長い期間がかかっている。そしてどんどん手にするものが大きくなっているだけだね。これを世間ではステージが上がるなんて言われるみたいだ。やがてそれも手にすることになるだろう。もちろんすべてが順風満帆にきたわけでもないね。それがこれからも続いていくのは同じだろう。いつかそれも終わりを迎えるとき、あなたはその意味をあなた自身が確定することになるのだろうね。
