ある日突然それはやってくる
経験則
あなたはこれまでいろんなことをやってきて、それなりの経験を積み上げてきた。それが今の暮らしを支えていることは間違いないだろう。ところがその経験則が増えていけばいくほど、どんどんと苦悩が大きくなっているのもなんとなく感じているだろう。あらゆることを体験してきたが故に、それなりの結果を得られたとしても少し物足りなさをそこに感じてしまうからだ。前はもっと喜びに溢れていたはずなのに、今となってはあまり心が動かないようになる。それをレベルが上がったからだとか、生活ステージが変わったなんて思っていたりする。初めて逆上がりができた瞬間というのは、あなたにとっては突然のそれだったし、例えばピアノを練習していて、こんなの到底弾けないと感じていた曲が、今ではスラスラと思い通りに弾けたりする。そのきっかけを思い出してみても、そうできるように気がついたらなっていたということが多い。もちろんそのために先生に習ったり、できる人から教えてもらったりしていただろう。けれども、それができるようになった瞬間はあなたにとってはいつも突然のことだったはずだ。
無心
なんとかしようとしていたことばかりではなく、気がついたらそうなっていたという代表的な経験は、なんとなく好きで夢中になってやってきたことだ。それはおそらく特に誰かに習ったわけでもなく、最初はどこをどうしていいかもわからないまま、気が向くことばかりを繰り返していただろう。それが面白くて楽しいからという理由だけがそこにあって、そんなワクワクした思いだけでただただできることを繰り返してきただけだね。ところが気がつけばあなたはそれを見事に習得して、今では特別に力を入れることもなく、まるで呼吸をしているが如くにそれらをやってのけることができるわけだ。ある日誰かにそれはどうやったらそうなったのか、と問われたところで、あなたにとっては不意をつかれた質問だからうまく言語化できない。だって血の滲むような努力と思いがそこにはないのだから、まるで宇宙からのメッセージを受信したのか、人が入れ替わったかのような感想しかないのだからね。名選手は名コーチとは違うとよく言われるのは、そういうことを表しているとも言える。
無欲
あなたのスキルはそうやって、ある日突然のことばかりだと気づくだろう。もちろん大枚を払ってスクールに通い、大量の課題をこなしてなんとかものにした資格なんかもあるだろう。けれどもそれはあなたにとって気がついたらその資格を取得したというものではない。その能力はなぜかすっかり忘れてしまっていることが多いだろう。一方であなたが何も気にせずやっていることは無自覚なことばかりだ。あなた自身がそれに気がつくことは稀で、大抵は誰かから指摘されることによって初めてそうなんだと思うことばかりだろう。あなたが必要だと思う経験やスキルを手にしようと計画して、それを実行して努力を続けるというのも大切だろう。そしてそうやって成功体験を積み上げていくことで、社会的に安定した暮らしを得るのも悪くはない。しかしながら一方で、何も気にせずできているそれらは、あなたをずっと支えている相棒みたいな能力だね。実はそれらの上ですべてがあなたを支え続けている根本だとすれば、もっともっとと思えることはあなたが無自覚に手にしているとも言える。結局のところ、あなたは気がついたらそうなっていたものでできているわけだよ。
