風に吹かれて

日々

風が吹きつける

穏やかな日に、急に風が強くなる。そうするとちょっと嫌だなと感じるね。さっきまでは心地よかったのに、急に風が強くなるととたんに風に心を奪われてしまう。いつも風は強く吹くときもあるなんて身構えていることはほとんどなくて、風を感じ始めた途端に、こりゃ天気が荒れる前兆かしらとあれこれ思考が始まるね。最悪さらに強くなったときの備えが十分かとか、いろんなことの心配事が強い風を感じると同時に湧き上がる。ほんの数秒前は違うことに気を取られていたのにね。さっきまであれこれと違う心配事は風とともに去りぬ、なんて笑えないかな。

その風はどこから吹くのか

ときに風が吹くことは自然の中で生きている上で取り立てて珍しいことでもない。風が強く吹けばどうなるかは当然知っている。なんだけど、それが目の前で起こるまではなんともなかったね。それでまた、心配事が増えたと思っているんだけれど、本当に増えているのかな。それまでは全く違うことを考えていたね。それは風に吹かれて今はどうなった?同時に考えていることは少ないと思うけれどどうかな。もちろん、風が強くなろうが嵐に飛ばされそうになろうが、そんなことよりもずっと心配なことがあれば、風の変化なんて気がつかないかな。ほんとに?そうなると、一体あなたはどこにいるのだろうね。少なくとも今強く風が吹いているここにはいないということになるね。心ここにあらずってやつは、今の自分を見失っている状態ともいえるかな。

無意識に対処している

そうして、雨が降れば傘をさし、風が吹けば飛ばされないように身をかがめて歩くよね。いつ何時やってくるかは予測不能な世界をその時々にそれほど苦もなくきちんと対応しているね。そんな状況に文句を言ったところで仕方がないとも思っている。だけど、さっきまでの心配事はとてもじゃなけれど許せない。なんとかしなければとずっと策を講じていた。その違いは何かな。何かが原因で、誰かが犯人とわかっているからなのかな。風一つとって考えてみても、そこであなたに風を強く吹きつけるためには、もう様々な事象と原因が連なって起きているよね。そう、犯人探しは最初からあきらめているね。どうして風が吹くんだ、この風を止めなきゃ、なんて考える人はほとんどいないと思う。

風が吹けば桶屋が儲かる

日常的にあれこれ思い悩んだり、心配していることは解決できると信じている。もちろん、雨が降ってもかっぱを着たり、傘をさすな、とかは誰も言わない。けれど、そもそも雨をなくしてしまえ、とかは思わないよね。さっきまであれこれ誰かのせいで悩ませていたその事だって、たぶん同じかもしれないよ。原因探しもいいけれど、今この世界でたまたまそこにいるあなたに強く風が吹いているのも、地球レベルで様々な要因が偶然にも重なってそうなっているんだよね。それと同じで、近くの人に原因を探しても、その人がそうしたのは実は他の誰かのせいで、その誰かもまた別の何かのせいでそうなったんだよ。そうやってずっと原因は繋がって広がっていって収集がつかない。だから普段あなたが自然に対応しているように、その起きたことだけに適宜対処していけばいいはずなんだけどね。

しかし、今日は風が強いなぁ。いつまで吹くのかな。それまでは普段どおりに気をつけて進まないとね。