手数
元通り
色々やってみても少しずつうまくいかない。そうやって試行錯誤していくわけだけれども、何度やっても帯に短し襷に長し、っていう感じですべてが揃うことがないね。でも気がついたらちょうどいい感じで収まって、もはやそれに悩まされていたことすらとっくに忘れてしまっている。あなたの記憶にはそのプロセスを詳細に記録されることはほとんどない。すなわち、うまくいったことは程なく忘れてしまうわけだね。そしてあなたを今煩わせている厄介事は、まだ他にある。それはまだ解決しないまま、ずっと取り組んでいる途中だけれども、それは記憶としてしっかりとある。やがてそれも解決してしまえば、あなたはしばらくは覚えていてもやがては忘却の彼方となる。そうやって今ある厄介事を忘れないだけで手一杯であって、かつてのそれらは直ちに思い出ともならずにほとんどは消去される。しかしそうだからといって心配しなくてもよく、その体験や経験は無意識的に積み上がっていて、試行錯誤するにもそのやり方はより洗練されているわけだ。
反復
同じことの繰り返しをそうやってやっているわけだ。初めての問題は、まずどうやって対処すればいいかすらもわからない。だからときに的はずれなこともたくさんやってしまうね。そうやって、初めての対応はほぼほぼうまく行かないどころか、何をやっているんだか、という感じになってしまう。そうじゃないと気づくのでさえ、しばらくしてからでないとわからないわけだ。でもそういう手探りの試行が、あなたを確実に成長させてきたわけだ。また似たような問題に対処するとき、あなたはそれをどうやって解決すればいいかが、徐々に見つけることが早くなっていく。さらには見当違いな対応の時間も、だんだん少なくなっているだろう。それらはすべて同じようなトライアンドエラーのように見えるかもしれないけれども、実はその奥行はとても変化しているわけだ。そのうちにある出来事に対しては、対処する手順が完全に見えるようになり、それは日常のルーティンワークに変化して問題ごとではなくなっていくわけだ。すなわち、あなたにとっては、何気なく対処している普段やっていることに昇華するから、問題ごとが消えてように感じているだけだね。
失敗
だからまずは、あなたが気になっている厄介事から目をそらさないことが大切だね。真摯に対峙していれば、いずれあなたの眼の前から消えてしまうのだからね。まだ覚えているということは、TODOリストに入っている状態であるとも言える。せっかくの宇宙からのメッセージというか、その問いに答えなさいと言われていると思って、あなたの今の課題がそれだと思うことがまずは大切だね。難問であっても、仕事や学校のテストのように時間制限は特にないとすれば、じっくりと向き合う覚悟だけで十分だね。時間が限られているから問題を解くことができないだけで、じっくりと調べて、考えて、色々と仮説を立てて実行していけばそのうち解決のヒントが見つかるだろう。なかなか見つからなくても焦る必要はない。もしくはあれこれやっているだけで、そもそもその問題が少しずつ変化してしまったりする。そういうプロセスがすべてあなたの生き様であって、それをゴニョゴニョすることが人生の楽しみとも言えるね。そうして失敗を積み上げていくと、最後にはオセロのように、すべて成功としてひっくり返る。だからあなたの手数として、やってみた失敗の数が勝負を決めるようなものなんだよ。
