アンバランス

日々

均衡点

何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言われるね。なんでもかんでも多い方がいいわけではないし、すごい特徴がある方がいいわけでもない。自然の調和というか、バランスが取れた状態が一番だということだね。なんの取り柄もないあなたにとって、優れた能力を発揮している人たちやものが目について仕方がないだろう。けれども、それらはその裏側に大きな弱点を潜在的に持っているとも言える。だからバズったものたちはあっという間に消えゆく運命であり、いつもチヤホヤされ続けているものなんてどこを探してもないわけだ。一時的に大ヒットして、注目を浴び、とても際立ったものは、悲しいことにすぐに他のものに移り変わっていく運命をたどるわけだね。有名になれば同時に無名になるリスクをを抱えているし、向かうところ敵なしの状態はしばらくしか持たないね。そういうことがまったくないあなたは、そんなリスクやおそれはゼロだ。特に自慢できることもなく、特に秀でていることもないことは、そう考えて見ればそれほど悪くないどころか、実は最強なんではないかと思い直すこともできるね。

偏り

そうやってある一点に偏ると目立つ理由は、崩れかけている危うさであるとも言えるね。逆に言えばもっと目立ちたいと思うのならば、その場をかき回せばいいということになる。その場合の戦略としては、皆が困るような大きな声を出して注目を浴びようとしたり、わがままをあえて表現することでその場の主役を取ろうとしたりするのもそうだ。バランスの取れたいい人では目立ちにくいからわざとそうしたりするね。今ではSNSなどであえて奇抜な行動や意見を発信することで、なんとかインプレッションを稼ごうとしているのと同じだ。一度それさえうまくいって、有名になって知られるようになれば良いということを狙っているわけだ。それ故に、あえてバランスを取らず、いかにそれを破壊するかということに躍起になってしまう。その結果は目も当てられない状況となり、良いことにはならないのは、あなたも目にしているだろう。特にそこに嘘が混じっていると好ましくない状況に陥ってしまうようだ。そこにはもはや何の主張もなくなり、からっぽな暴走だけで注目を浴びようとしているわけだから、とことん悪目立ちをするしか手がなくなっている状況だからね。

普通

すなわち、なんてことのないつまらない毎日は、実は宝物であるということだ。何も感じない空虚さというのは現代社会に踊らされてつまらないものだと洗脳されてしまっているだけで、実は紛れもなく幸せの真っ只中だということなんだよ。ちょうどいい絶妙で、奇跡的なバランスを保っていることで、あなたはなにか場を乱したり、悪目立ちしたり、誰かに嫉妬されたりすることもないわけだ。そしてそれが長く続いているのも、もう二度とないぐらいの幸運であるね。あなたが勘違いしている有名人たちは、栄枯盛衰でいずれ思い出にも残らないことが多い。もちろん今でも有名だとあなたは言うけれども、実のところあなたがそれをそう思っているから、今でも注目し続けているだけのことだ。有名人を支えているのはその人ではなく、実はそうやって注目し続けてくれている人のおかげだね。その一人にあなたも参加しているだけのことだ。すなわちあなたの憧れである注目されるほどの素晴らしい能力を持つ人というのは、実はあなたが生み出しているとも言えるわけだ。あなたが忘れてしまっては、消えてしまうぐらいのものでしかないのだからね。