あれ、なんだっけ?
不安
不安の正体は今を忘れて未来に生きていることだ。まだ何も起きていない今に、もしかしたらあなたにとって都合の悪いことが起こるかもしれないと予測しているとき、あなたは不安にかられてしまうわけだ。しかしそれは常に今起こっていることだと看破できれば、不安は途端に消えてしまう。不安とはまだ見ぬ未来のなにかであり、心配事はまだ起きてはいないので安心していいわけだ。逆に後悔とはもうすでに起こったあとのことだ。だからあのときこうしていればとか、もっといい方法がなかったのかと思案している今に起こっている。いずれにせよ、不安も後悔も今だからこそ感じられる特別なものであり、そしてそのどれもが今考えても何もできないという特質を持っている。そしてあなたはその時空を超えて思考を行ったり来たりすることができる能力があるから、それが可能だということだね。
記憶
もし記憶が短期的なものだけになれば、反応という現象しか残らない。敵がやってきたら、右に避けるとか、食べ物があればとりあえず口を開けるといった単純な動作に置き換わるわけだ。もしかして明日敵に襲われるかもしれないとか、この先食べ物がなくなってしまったらどうしようとか考えられる元になるのは、記憶を持ち続けることができる時間に依存する。その時間が長くなればなるほど、不安や後悔がどんどん膨らんでいくし、その時間が短くなればとても小さくなる。あなたにとっての適切な一時記憶の領域が維持できれば、多少の不安や後悔は、なんとその瞬間に希望へと変えることができるわけだね。だからあまりに心配しすぎたり、いつまでもくよくよしすぎるのは今という時間の浪費となり、生きる喜びを失うことになってしまうわけだ。だから、記憶を消すわけにはいかないので、それを打ち消す今を見つけることが幸せを増やす方策となる。
今
やっぱりこれらを構造的に分解してみると、あなたは今しか生きることができないということを再確認できるね。今何を考えるのか、今何をするのか、ということだけで人生観が一変するのもそういう仕組みだからだ。不安にならないためにはきれいさっぱり忘れてしまう特殊能力が必要だし、なんでもかんでもゴミのような情報を見ないような生活にあらためてみたらいいわけだ。記憶力が優れているのはかつては優秀さのスキルであったけれども、そんなものはどこかに書き記しておいて、その後は忘れてしまう能力を身に着けた方がいいだろう。あなたなりの記憶やそれにまつわる情報を上手にコントロールすることができれば、おそらくあなたの不安や後悔はぐっと減少するだろう。そしていずれは消えゆく我が身を思い出せば、もはやそんな次元を超越することも容易くなるかもしれないね。そしてあなた自身の身体をよく観察してみれば、驚くほど物覚えが悪くなっていることを感じることがあるだろう。そうやって歳を重ねるごとにうまく帳尻があうようにもともとできているわけだよ。
