小さな挑戦
景色が一変する
一つのことを新しく始めると、気がつけば思ってたより多くの様々な出会いが生まれるよね。今まで一度も訪れたことがないコンビニの店員さんも、通ったことのない街を道行く大勢の人も、たまたま電車で乗り合わせた目の前の人も、その人たちはそうしなかったら決して出会うこともなかった人たちばかりだね。そうだからといって、その出会いにいちいち大げさに感動するとかじゃないけれど、出来れば一人残らず笑顔ですれ違いたいもの。もちろん、テンパっているあなたには、目の前のそんな奇跡を見る余裕もなかったりもするけれどね。見ているようで、全く見ていないことが多いのかもしれないね。もうその目は一体何を見ているんだろうっていう感じになることが多い。とにかく見知らぬ新しいものを追いかけるのがいつも精一杯だね。
焦りの中で寛ぐ
そうしてバタバタとたぶんあえて何気ない景色の情報をシャットアウトして、刺激的な新しい目の前のあれこれの対応に追われてしまう。でも、ふとそんな中でもちょっと顔を上げてみると、いつもと違う風景がバーンと広がる。もう見るもの聞くものすべてが初めてのことばかり。でも一方でそのことを知っているもう一人の自分がいる。確かに今、ここは新しい見知らぬ場所として見えているけれど、いずれは必ず見慣れた風景に変わってしまうことをね。その中になんとも言えない儚さと懐かしさが一瞬風が吹くように頭をよぎる。そう、これまで何度もそれを繰り返して来たからね。ああ、また新しく始まるのかと。始まりの景色が広がっている。そう言えばあの時のはじめの場所はどう感じていたんだろうと思い出そうとしても、もうぼんやりとしか浮かばない。ということは、今のこの感じはあとで振り返ってもぼんやりするぐらいの刹那。だからとても貴重な瞬間と気づく。そんなだから無意識に愛おしさをそこに感じているのかな。
箱の外は元の箱
よく考えてみると、一体何が新しくなったんだろうね。新しい出来事は確かにそこにあるけれど、ほとんどはいつも通り。それを終えていつものように家路につく。その道中はすでに見慣れた風景となってしまっている。で、家に帰れば、手垢がつくぐらい見慣れた景色いっぱいに囲まれる。タイムマシンでタイムスリップしたみたいにそこは何も変わってない。だからこそ何かを起こすアクションがとても貴重で大切なんだね。小さいながらも新しい風をちょっとだけ起こしてみても、もはやがらっとすべてを変えてしまうほどのパワーはなくなってしまっているね。でも、そういう新しい出会いを心がけることで、少しずつ少しずつ確実に変化しているものに目がいくようになる。なんだかとても大切な何かを、いつもは忘れてしまっているってことがほんの少しずつ見えてくるようになる。いつも思うことだけど、なぜか大事なことはすぐに見えなくなるから気をつけないとね。小さな冒険を続ける今を丁寧に、そして大切にしようね。
これってずっとこれまでも同じこと言ってた気がするけど、気のせいかな。そんなことを考えていたら、急にお腹が空きましたね。ああ、腹減ったーという感覚さえもなんだか心地いいね。メリハリのある充実した時間ってこういう瞬間に気づくことなんだろうね。きっと。