戦争と支配

日々

八方美人

たくさんの人気を集めている有名人は、迂闊なことは発言できない構造になっているね。たくさんの人の支持を集めてしまうと、いろんな考えの人がそこにどうしても混じってしまうからだ。いわゆる多様性と呼ばれるものの実態は、それぞれが少しずつやっぱりちょっと違っているということだからね。だから有名なことで生計を立てている人は、何も言わなくなるわけだ。一方でそういうのはお構いなしに、自ら信じる何かを発信する人は、そのたびに人気に影響が出てしまう。そして誰も頼んでもいないのに、そんなこと言うなんてがっかりした、もう推しをやめるなんて言われてしまうわけだ。もちろんそんな尖ったところが好きだという人は、何があっても離れないだろうけれども、大抵の場合は一部にどうしてもそこは譲れないという逆鱗の触れたときに一気にその支持を失うことになる。しかしながらそういう仕組みがまさに支配のそれであり、逆に言えば勝手な勘違いを含め、多くの支持を集めるための基本メソッドでもあったりするわけだ。

紅組と白組

人とは面白いもので、なんとも思ってもいない人たちの集団に、あなたは紅組、あなたは白組と一旦分けてしまうと、そこにそれまではなかった対立構造が生まれる。そしてなんとも思ってもいなかったその他大勢であったにも関わらず、敵味方に分断してしまうわけだ。実はそれを上手にコントロールしているそれ以外の人が必ずいる。それが支配者と呼ばれる人だね。民族の違いをことさら強調して発信する人や、紅組はどうやらずるい人が多いぞ、と扇動したりする人がいる。そしてそれらの情報によって、不思議なことに当事者同士でいがみ合ったりするわけだ。そういう群集心理を上手に操ることで、実は蚊帳の外の人の思うがままになっている。さらにはそうされている多くの人々は、自らの正義や大義によって結束を深め、その溝はますます濃厚になっていく。すると、実はその喧嘩をしかけた人には怒りは決して向かわず、いがみ合いは当事者間のみで勝手に勃発するわけだ。これはこれまでの人類の歴史を遡れば、すぐに気づくシンプルな罠なのに、いまだにそれが続いていて無用な戦いが終わらないのは知っての通りだね。

SNS

現代ではそれがSNSを通じてインターネットという情報網を駆け巡る時代だ。そしてそれらに反応して対立がますます色濃くなっていくわけだ。エコーチャンバーとか言われる現象を聞いたことがあるかもしれない。そうやってまるで自分のためにそれらの情報が集まっているかの錯覚を起こす装置でもある。そして情報戦と呼ばれる熾烈な戦いがそこにあるわけだ。残念なことにいつまで経っても単純な対立や二項分裂といったわかりやすい嘘に振り回されている。さらに言えば、そういう仕組みすら知らないままだから、それらを吟味したり検証したりする術すら持たないままになっている。そこで先の人気があって影響力がある人は、発言を控えるわけだ。するとなぜかそこに巻き込まれることはなく、おおよそ対岸の火事となる。そしてその騒ぎが沈静化するのを待っているだけのなんでもない人を装っている。さて、大騒ぎしている人たちにとって、一連のそれらの時代のうねりは、果たして得策となるのかどうか。それも冷静に観察してみたら、火種としてうまく利用されていただけに過ぎないと気づくだろう。これが人類史で何度も繰り返されている悲惨な出来事の正体なんだよ。