名人と初心

日々

全力疾走

今を生きるということは、常に本番だということだ。人生においてリハーサルなんてない。もう一度できると思っているけれども、実は同じようには二度とできないね。だからどれだけちっぽけなことであっても、どれだけ壮大なことであっても、それに一度向かい合えば、それがいつも本番だということだ。もちろん、同じようなことはできるだろう。何年もかけてやってきたことは、繰り返し同じようにはできるかもしれない。そうであっても、いつも同じようにいくことは稀だね。その時々でうまくいったり、そうでもなったりすることは、あなただけが知っている。どれほどの名プレイヤーでもそれを痛いほど知っている。だからこそここまでで十分だということはなく、やっぱりいつも本番となるわけだ。

鍛錬

その最終ゴールのために、普段から絶え間ない訓練が必要なんだけれども、どれほどそれをやったとしても完璧にはならないね。もちろん会心の一撃となるときはまれに訪れるわけだけれども、常にそうなるとは限らないことを知っている。さらにはそうなったらなったで、それだけで安心できない不確実性が常に存在している。だからこそ、一定のレベルを保つことはさらなる困難をあなたに感じさせるわけだ。それを一般的にはレベルが上がると言われているけれども、名人の域に達していようとも、そう呼ばれている人だけがそれを十分に理解しているわけだ。だから手を抜いたり、いい加減なことができなくなっていって、ますます謙虚になり、不断の努力が必要となり、かえって苦しくなることもあるわけだ。周りからすればもはやそれ以上なにか苦労することなんてあるのかと思われているにも関わらずね。

達人

だからこそ人生は楽しいわけだ。何かをやってもはやここまでで到達したという地点があるようでないからだ。あなたにとってはそれが息を吐くぐらいに簡単なことでさえ、誰かにとっては憧れの存在となるのはそのせいだ。そしてあなたはそれ以上の高みを目指すべく、日々泥臭い努力を重ね続けてきたわけだ。結果をすぐに求められる時代となって、ある程度のレベルでそれが今すぐできるコツやノウハウを求めるようになった。きっとそれには秘伝のコツとか、すぐに真似できるポイントがあると分析してしまうからね。もちろんその要素はある程度は切り出すことはできるだろう。そしてある程度はそれほどの苦労もなく到達できるかもしれない。けれども求めている結果はそんなレベルではないことが多い。すぐさま名人になれるコツの最後の砦は、いつまで経っても初心者であるということなんだからね。