昨日と明日
次の一手
これまであなたはずいぶんと四苦八苦して、なんとかいろんな出来事を乗り越えて今があるわけだ。それらがあなたを形どっているとも言えるね。あの頃はとてもつらかったと思い出話になっているなんて、当時のあなたは想像すらできなかっただろう。仮にそれらがすべて終わりを告げたとき、あなたはどんな気持ちでいるだろうか。やっぱりすべてに対しての執着を手放すことができず、あれこれと後悔ばかりが頭をよぎるのか、それとも感無量で、すべてがあなたにとってのドラマだったとして満足げに笑っているだろうか。そんなことはそのときにならないとわからないから、あまりに真剣に考える必要はない。けれどもどちらかといえば後者でありたいと思っているだろう。まだそうなってもないのにあれこれと考えるのは悪い癖で、もちろんそのときになってからで十分なんだけれども、おそらくはどちらであっても、もしくはどちらともであってもそれほど悪くない気持ちであることは間違いないと言っていいね。
目覚め
いろいろあって、ほとんどあなたが思っているほどの充実はない毎日を過ごしている。それでも、あなたは必ずどんな日であっても終えることになる。もちろん眠れない日々もあっただろうし、ふらふらになりながらも耐え忍んだこともあっただろう。それでもあなたはいずれは眠りについてきた。そんなときほど疲れてぐっすりとよく眠れた記憶があるだろうか。不思議なことに眠れない日々をあれほど苦しいと思っていた反面、ぐっすりと眠れた日々も同じぐらいに覚えている。そして毎回目覚めてきたから今があるわけだ。眠っている間に小人さんが問題を解決してくれたという経験はないだろう。けれども、少しだけ発想や認識が変わった経験もあるだろう。それは眠らなくても、一旦そこから離れると、あなたの視野が少し変化することを知っている。だからこそ、窮地に立たされてしまったときは、それに真正面から向き合うのもほどほどにしておいたほうがいいということだね。
あなた
それらを総合的に見てみると、あなたは大雑把にいえば眠りについたらどこにもいなくなり、目覚めた瞬間にいろんな出来事が起こるようだ。そしてそれを必死になって向き合って喜びや悲しみや悔しさや苦しさを感じている。それをまさにあなた自身だと捉えているに過ぎないわけだ。やがて夜の帳が下りて眠りにつくと、すべてがリセットされてあなたはどこにもいなくなる。まるであなたは蜃気楼のようなものだね。あなたはそういう意味では自然の変化の一部であり、それがなにか固定的な存在だと思いこんでいるだけであって、確かにそうであるかどうかはどうやら怪しいわけだ。そう、あなたは一体今にあるのか、明日の今は昨日の今とどう違うか、などを感じ取ってみればどうやらあなたはいるようでいない影のような存在なんだ。そしてその影があれこれと思いを馳せることができる今が、二度と訪れない奇跡の瞬間だと気づけば、不思議と問題事や厄介事も愛しいあなたそのものだというふうに見えてくるかもしれないね。
