苦悩の正体

日々

心の声

あなたはいつも心の声を無視し続けている。だからとっても苦悩に満ちた日々を過ごしている。本当にやりたいこととやりたくないことが思い通りにいかないからだ。そうであるのならば、その解決方法をあなた以外の誰かになってあなたに答えてあげれば良いだけだ。あなたの心の声に素直に従いなさい、とね。もしあなたが誰か親しい人の悩みをそうやって打ち明けられたときは、必ずそういうに違いない。ところが当の本人は、それができれば苦労はしないよ、と答えるだろう。そう、そのどう考えても適切なアドバイスなんだけれども、実は全く役に立たないわけだ。ある問題に対して正しい答えが、実際には全く無力であるのはどういうことか。そもそもそのアドバイスは本当に適切なのか。それ以外になにか役立つ言葉が存在するのか。そういうことを深く考え始めたとき、あなたを悩ませる物事の本質に少しだけ触れることができる。だから、正論や正解ばかりを押し付けられたところで、多くの場合はうまくいかず、ただただ困惑するだけで何も救われないわけだ。

苦悩

そもそもなぜ心の声に従えないのか、という問題にぶち当たる。素直になれない理由は一体どこにあるのか。それを苦悩の原因とするならばそう分析するだろう。そうするとすぐさまいくつかの理由をあなたは述べることができるね。あなたが置かれている環境がそれを許さないとか、それはその状況には不適切だと思うからだとか、信頼されている友人を裏切ることになるからだとか、そうしたいのにできない理由がすぐに見つかるだろう。もしそれが他人であればあなたはどんなアドバイスをするかな。おそらくは、周りを気にするな、ということになるだろう。あなたはあなたの人生を生きているのだから、誰かの顔色や嫌われたらどうしようという損得勘定に重きをおきすぎてしまっているからそうなるんだと。これはもっともらしいアドバイスとも見える。けれども、逆にまたあなたがそう言われたらどう思うだろうか。おそらくは、そんなふうにできれば誰も苦労しないよ、だろうね。人はみな、一人で生きているわけではないのだから、適切な心遣いや場の雰囲気を考慮に入れるのは、もはや当然の義務と言っていいだろう。

正体

では、そこまでわかっているとして、あなたの心の声と実際の声がどうして乖離してしまっているのか、ということに気づくわけだ。あなたがやりたいことが周囲の環境にもぴったりで、それをあなたの友人たちが喜んでくれる状況が最も最適なわけだからね。はてさて、あなたはあなたのやりたいことが皆のやりたいこととならない原因を探ってみると、実は見ている世界が違うことが多くの原因だろう。あなたの意見と友人の意見がすべて合致することが理想だとすれば、どんな一つの世界がそこに存在するだろうか。全く同じものを同じように受け止め、理解するなんていうことが起きたなら、本当にあなたや友人の苦悩はなくなるだろうか。そこであなたは、そんなことは奇跡でない限り起こらないと言うだろう。なぜならそれぞれに個性があり、役割みたいなものが違っているのだからと。もしこの世界にあなたしかいないとすれば、あなたの心の声は世界の声となるのだけれども、そうなればあなたは苦悩から解放されるのか、さらに大きな苦悩がそこに生まれるのか、その答えがそこに見え隠れしているね。