悪魔は笑顔でやってくる

日々

お得

こうなればお得ですよ、なんていうことが当たり前の社会になって、そのせいでちょっと生きづらさを感じている人が多いんじゃないかな。これからはこれこれの能力が必要だとか、これからの時代に合わせて価値観をアップデートしなければ生き残れないとか、そんな脅しに近い文言が平気な顔してあなたに襲いかかってくるからだ。そこには、それがないと絶望しか残らないという文脈しかないね。もっと言えばそれがもし得られなかったらとんでもないことになるだろうなんていう悪魔の予言と同じだと言っていい。そうではなく、そんなことができなくても、そんな新たな能力を得られなかったとしてもこれまで通り幸せでいられますよ、とは言ってほしいわけだ。どんどん移り変わる社会において、これまでのことはすべてレガシーと変化し、最先端のスキルや考え方を一変しないと取り残されてしまうという言葉は、あなたにとって喉元にナイフを突きつけられているようなものだ。周りはどうであってもあなたがあなたらしく、そのままでいても大丈夫だなんて誰も言ってくれないのは、一種の冷酷さを強調する手法でもあるから注意が必要だ。

恐怖

沢山の人を一気に洗脳する方法は、新興宗教や洗剤の販売手法も同じことをしている。それはとにかく今のままではだめだと恐怖を駆り立てることだ。今後の未来のために新たなスキルセットや商品がなくては、あなたのこれまでののほほんとした生活すら維持できないと煽り立てる。そのことで、まだそれをやっているのか、とか、まだそんな洗剤で洗っているのか、と笑顔で近寄って語りかけてくる。そしてその手法はいつも同じで、おそらく古典的な手法となっている。しかしながら新興宗教で助かるかどうかは誰にもわからず、新しい洗剤がこれまでの汚れを落とすかどうかも微妙だね。そもそも宗教や洗剤がそれほど大きくアップデートしたとしても、あなたのこれまでの生活が全否定されるわけでもない。今それがなくてもそれほど困ってもいない生活を送っているどころか、結構満足して快適に過ごしているにも関わらず、その脅し文句の一言であなたは慌てふためくとすれば、これほど滑稽なことはないだろう。さらには、そういう言葉は意地悪で怖い人が伝えるわけではなく、身近で信頼している人がしたり顔して語りかけてくるから、あなたもうっかりすると信じ込んでしまうという罠だね。

バーゲンセール

そうやってあなたの人生は知らず知らずのうちに誰かに乗っ取られているわけだ。あなたの生き様を乗っ取る簡単な手法としては、優しい顔してバーゲンセール中だと語りかけるだけでうまくいく。そもそも損得をものさしにしている人だと楽勝だとも言えるね。得にそれほどこだわりがないとしても、損には敏感だとすれば同じことだね。それほど欲望が高くないとしても、損するぐらいなら変えてしまおうかとか、損しないならどっちでもいいか、という気分にさせることが誰かの人生をコントロールすることができる。お得ですよ、なんていう古典的なセールストークには騙されないぞと意識高い系だとしてもだ。そういう意図で近寄ってくる人がいるから注意しようとするのではなく、そもそも損が悪いことだと思っていることが根本原因だといえるね。さらに言えばバーゲンセールでやりくり上手な人ほど、どんどん損に敏感になっていく。物価高の中家計のやりくりを頑張れば頑張るほど、そうなってしまうのが皮肉なことだもといえる。損は損として受けれることができるぐらい、損を溶かしてしまうとそこから離れることができるんだけれども、そんな余裕すらない人たちを食い物にするのは、それで誰かが儲かるから仕方がないのかもしれないね。