何もしない練習
あと少し
期日を決めて、指折り数えてカウントダウンしていると、その終わりのために多少のことは我慢できるようになるね。そしてそれが実のところずっと続いていることに気づくだろう。そう、あなたはずっとカウントダウンして待ち続けてきたわけだけれども、それが終わることはこれまでほとんどなかったわけだ。あともう少しの辛抱だ、なんて励ます言葉をかけられて、ずっとその想定していた終わりは起こらないままでいる。それを数十年間続けてきたわけだから、少しずつ疲れてしまうのも無理はない。そうやってあともう少し、あともう少しと重ねていくうちに、どんどんと疲れが溜まっていくのと同時に、気がつけば若かりし頃のようにはすでに体力もなく、気力も失われてしまっているわけだ。そして、そのことに気がついたときには、ようやく終わったとしても何一つ動けない状態になっている。だから、我慢だけで終わる人生を避けるには、少しは肩の力を抜く練習を今すぐにでも始めたほうがいい。なぜなら、今までずっとそうしていたのだから、どうやれば脱力できるかということすらも忘れてしまっているからね。
休息
そうやって、忙しい中でも少しだけサボったり休息を取るということを、真面目なあなたは下手くそなわけだ。なぜならやってみたこともないことを急にやれ、と言われてもそのやり方すらわかっていないからだ。いやいや、サボるぐらいのことは練習しなくてもすぐにでもできるよ、というだろうけれども、そうであるならば、今すぐそれをやってみればいい。どうだろう、我慢しなければならないと思っていて、それが最初は嫌で仕方がなかった頃があったにも関わらず、その違和感がいつの間にか当たり前となってしまっている。そしてそれを思い出そうとしても、ぎこちなくなってしまうね。そしてそれは本当にリラックスしているのかと問われたら、おそらくは困るぐらい緊張状態がほどけてはいないだろう。そう、いつの間にかあなたは自分自身を労ることすら忘れてしまっているわけだ。そんな中でも全部責任と思って引き受けていることを少しずつ下ろしていけと言われても、なにから手を付けていいのかすら考えあぐねてしまうわけだ。
やらないこと
何をするにも、その前準備というか練習なくしてはうまくいかないことは知っているだろう。だからそろそろ思い切ってまずは、やらないことの優先順位を考えていった方がいいね。あなたはやるべきことはすぐさま思いつくだけの鍛錬を重ねてきた。しかしながらその逆はあまり得意ではない。人の付き合いや引き受ける仕事など、これまではノーリミットで対応し続けてきた。そしてそのことが努力であり、頑張ることであり、自分のことなどさておいてまずは最優先にして生きて来た。その結果、あなたは一番大切な家族や友人やあなた自身をおざなりにしがちだったわけだ。そしてそれは、すべてが終わってからゆっくりと楽しもうとずっと考えてきた。それが一番まずいのは、ようやくその状況になったとしても、あなたはまだそのタイミングではなく、なにか忘れていることはないかと再び慎重に見つめ直すだろう。そうやってずっと今までを過ごしてきたのだからね。そうではなく、逆に言えばその責任や我慢を持ちつづけていても、あなたのための時間を少しでも持つようにしないと、いざそうなったときにはできずに、結局は今まで以上に辛くて寂しく感じ続けてしまうことになるのだからね。
