ゆらりゆらり
波風
海は広大にあなたの前に広がっている。あなたがいる岸から眺めるそれは、穏やかでキラキラ輝いて穏やかな風景として見える。けれども、時には恐ろしいぐらい荒れて、大波が幾度となく押し寄せることも知っている。まるで周りの状況に合わせて演じているようにその変化はダイナミックで激烈だね。でも今目の当たりにしている海はどこまでも穏やかな様子だ。あなたの人生もそれと同じだね。俯瞰で見るそれはどこまでも続く永遠のような大きさに見えるけれども、その場面がガラリと変われば、大時化で激しく揺さぶられるそれとまるで全くの別の顔を覗かせるわけだ。あなたも同じように生きている。できれば波風立てずに穏やかに過ごしたいと思っている。しかしながら、ときにそれは激しく動揺するかのごとく、白波を立てるようなシーンもあるわけだ。だから一元的な安定なんていう幻想は捨ててしまえばいい。海は人生そのものであり、ずっとそこにある。それがときに穏やかで、ときに激しいということは、自然と一体であるという証左であるわけだからね。
揺れ動く
そうやって、あなたは常に揺れ動いていることが自然なんだ。ずっと凪であること自体が不自然であり、ましてやそれを無理やりにでも維持するなんていうのは土台無理な話だね。ゆらゆら揺れて、時には激しく揺さぶられて、何もかもひっくり返されるぐらいの大波が突如としてやってくる。それに一喜一憂して、ついてないとか不運だとか不幸だとかと嘆き悲しんでいるのも一興だね。一方でそれが永遠に続くわけでもないことも知っている。だからその瞬間の悲劇ももはや楽しみの一つだと言ってもいいわけだ。なぜならまた嘘みたいに表情が変わって、穏やかであなたを優しく包み込んでくれるそれにガラリと変わるわけだからね。そうやってこれまでずっと荒波に揉まれて、その後は必ず穏やかな状態に包まれてきたわけだ。そう、その七変化によってあなたの人生そのものが揺さぶらされてきたからこそ、今がある。それをあなたの意思でコントロールしようとすること自体が不自然そのものだと気づくことができるね。
五感
そういう変化をあなたは敏感に察知できる力が備わっていることが奇跡だね。それを感じるいわゆる五感があなたには備わっている。これこそ神が与え給うた特殊能力であると言ってもいいぐらいなものだ。大きな揺れはもちろん、ほんの小さな揺れも察したり感じたりすることができる。そしてその能力が備わっているからこそ、直感的な変化を感じ取ることができるわけだ。それは単に情報や外部信号をそのまま単に受け取るだけの力ではなく、そこからその他の感覚情報を合わせ技で処理することでなんとなくのイメージを形成するスキルを持っている。だからこそ、得も知れぬ不安や勘違いな幻想を抱くことができるわけだ。その結果、余計な心配ごとに悩まされるし、楽観的な夢物語を心から信じることができる。それゆえにあなたの人生のダイナミズムが生まれ、より今ここを楽しむことができている。もしそれがなければ、おそらく苦しみもないが故に楽しみもない、ただプログラミングされた乏しい反応と反射行動だけで淡々と過ごす生命活動となっているだろうからね。
