ネクストステージ
最高傑作
例えばものづくりを趣味としていたり、カメラが好きで写真を撮り歩いたり、音楽なんかやっている人だったり、そんなあなたにある人が突然こう聞く。「今までの最高傑作はどれですか?」それに対して、あなたはどう答えるかな?「そうだねぇ」などとと過去を振り返ってあれこれと思い出しながら探しているね?ああ、あれは一番出来がよかったかな、なんていくつか思い当たるかもしれないけれど、あなたにとって絶対的に「それです」とは言い難いんじゃないかな?なぜなら、確かに出来はいいかもしれないけれど、絶対にこれと決められるものではないからね。だって、結局過去の作品や業績なんかは全部、まだまだ道の途中なんだよね。だからこそ、まだ見ぬもっと先に最高傑作を求めている。それを求めて今もワクワクしながら続けているところなんだよね。だから過去からはいくら探してみたところで見つかりそうで見つからないんじゃないかな。
今まさに
まぁ、それじゃぁ答えになってないって?そうなると、強いて言えば一番最新のものがそういえるかなぁ、なんて答えるしかなくなるね。これまでの過去を少しでも塗り替えるために、今をまさに生きているんだし、作品作りを楽しんでいるわけだしね。最高傑作ってのは、おそらく本人に問いただしても答えられない性質のものなのかもしれないね。そういう評価は、あなたが活動を止めた後に、知らない人たちに決めてもらうしか方法はないのかもしれないね。ということは、これがいい、あれはいい、なんていうことは好きでやっているあなたには全く関係のない話になるね。だから周りの評価を気にし出したら、余計思った通りにならなくなるんだろうね。たぶん。
塗り重ねる
それでもどうしても一旦の答えをださないといけないとすれば、周りの評価はあなたの活動や人生と全く関係がないんだけれど、とりあえず「次のやつが最高傑作かもしれないです」と答えるしかなくなる。で、日々楽しんで続けているうちに、ああ、これは上手くいったかもと会心の一撃が起こった瞬間を感じるんだけれども、感じた瞬間にもう過去の作品にどんどん変わっていく。まるで絵を描いていても、次から次へと絵具を塗り重ねていくようにね。いつもいつも、続きは今ここから。そこに拘って捕まえて離さないようにしたら、もう苦しみの連続しか残らないよね。だってあなたは前に進んでいるのに、過ぎ去った瞬間に自分を縛りつけることになるからね。
評価不能
今があっという間に過去に姿を変えて流れていく。その先頭にいるのがあなた。そのあなた自体が今だとすると、最高傑作なんて考えるだけ無駄だということだね。これまで一度も動きを止めず進み続けているあなたはどこにもまだ到着もしてないのに、一旦ここが終着地点ですと呼ぼうとしている。そりゃ、無理もあるしおかしな様子だね。毎日朝は来るけれど、来た瞬間に昼になり、やがて夜になる。当たり前に変わり続けているし、その循環は誰にも止められないね。であれば、もう流れに乗ってどこまでも行くしかないね。止まらない列車は途中下車は出来ないんだからね。何かと判断したり評価したりしたがるけれど、それは全部途中経過でしかないから、そこを気にしたり、重く捉えるのはバカバカしいってことだね。さ、だから続きをまた始めましょ。