22歳の別れ

日々

商品価値

気がつけば効率化や無駄を省くということが、生きるスタイルにも織り込まれてきたね。生まれたばかりのあなたは、いろんな病原菌に冒されないようにワクチンを摂取し、あなたにとっての個性が一番発揮できるような習い事を選び、受験勉強という不毛な争いから身を守るために小学生において先に受験することで、その後の争いをキャンセルしようとした。もしかしたら幼稚舎からかもしれない。そうやっておそらくは22年後のあなたという価値を高めておけば、いい暮らしができる前提条件であるいい会社に潜り込めるチャンスが増えるわけだ。すべては生まれた瞬間に22年後に向けて始まりだしたことであり、それを過ぎれば、人生の第二章が始まるわけだね。これまではずいぶんと支援と保護に包まれて生きてきたけれども、急にそれらも無縁となって初めて独り立ちをすることになるのだからね。そうしてこれまでの知識を駆使してなんとか生き残っていくことができるサバイバル生活に突入していくわけだ。

挫折と失敗

あまりに支援され、保護されてきたことによって、その途中で心が折れることもあるだろう。その場合は予定していた成功者のレールからは大きくハズレて、そこまでのレースは棄権ということになる。単に喜びと楽しみを深めるだけの学習だったそれらが、それ以上の期待と責務を帯びてしまったわけで、それらはもはやあなたのためということすら忘れられたなにかに変化している。親の期待、先生の期待、身近な大人の思いがそこに含まれているのだからね。そうして、親は子育てという推し活を成功に導くために、一気呵成にそうしてしまうものだからあなたという個性とか適性などは、当てはまらないものはなかったことにされていくわけだ。そしてようやく独り立ちしたとき、あなたはほっとするか、もしくは不安に苛まれるかのどちらかとなる。それが現代の子育てであり、ベストアンサーだといまだに信じられているわけだ。自らで決断して選び取った経験が少ないがゆえに、とんでもない犯罪にも簡単に巻き込まれてしまうこともあるわけだ。

おとなこども

今では教育とは、自立したり個性を発揮するためにどうするということばかりで、挫折したり失敗したり苦しんだりもがいたりということは無駄としてきれいに排除されている。優秀な指導者のもとにいるのがいい環境であり、親としてもすべてをなげうって教育費を稼ぐことが親の努めだと勘違いする。そんなことよりも、しっかりと家の手伝いとか親子の対話の時間を十分に取ることが大切だと知ってはいるものの、そんなことよりも、将来の価値を上げるための合理的で効率的な最適化を図ることが有能な親のスキルだと信じている。もっと言えば親自身以上の価値を持つ存在に我が子を仕上げることで、親自身も浮かばれるわけだね。そうやって育て上げる一つの推し活は、やがて子離れという時期を経て終わるわけだ。けれどもいつまでもそれを手放せない親がいるのは、人生のほとんどをそこに費やしてきたからだろう。これは教育熱心なのか、単に親のエゴを押し付けている虐待なのか、その線引はあるようでないね。