群れから離れる
決断
始まりがあれば必ずいつか終わることをなんとなく知っている。でも普段はそれを上手に隠蔽しながら生きているわけだ。あなたもその例外からは漏れずに、おそらくはいつの間にか年齢を重ねて、いつかはそれが終わることを感じているわけだ。ただそれを直視することを避けて、いつまでもこんなことを繰り返して楽しめばいいな、なんて牧歌的に過ごすことで精神的な安定を保っている。それには原因があって、結局のところあなたはいつもどこへ向かえばいいのか、という明確な目的地を探し続けているに他ならないからだね。だからどんなに楽しく過ごしているときでも、ふとよぎるのはいつまでも続かないという一点となる。永遠の生命を得るというのは、おそらく過去の偉人たちでさえも叶わなかった夢であり、希望であった。一方で終わりをきちんと見つめることができるならば、今の生を見つめることができるということを指し示しているとも言える。やがて消えゆくこの身ならば、あなたはどんな決断をする必要があるのか。そんなことをずっと突きつけられてきたわけだね。
依存
人生には意味がない。目的の相対化が進んでいる時代であるとも言えるね。同時にネットが発達して、いろんな人生のカタチが見えてしまう時代だから、様々な生き様を見ることができるね。その中であなたはどう生きるのか、何を目的にするのかがますます決められなくなっている。あなたがその群れの中の一人として、自分を周りに迎合させることで安心感を得ようと、似たような人を探し求めてしまうから、もはやそれなしには生きていけないぐらい依存してしまっているわけだ。あなたがこれだと決断するということは、すなわち孤独になるということだ。そしてそれは、他の誰でもないあなただからこそできる唯一の残された希望だとも言えるね。人生に意味はない、多種多様な生き方を知っている。その膨大な選択肢の中で、一つ決めるというのは相当な覚悟が求められてしまうからね。おそらく周りからはそんなことしてどうするの、とか、それはみんなと違う危ない道だからやめておいたほうがいいとか、そんなアドバイスを受けることになるだろう。それでもあなたは、自らそれらを拒絶することでようやく本来の自分を取り戻すことができるわけだ。
孤独
しかしながら、群から離れてしまうがゆえに、みんなと違う道を歩みだすために、あなたは孤独となる。もう誰にも頼ったり迎合したりすることができないわけだ。唯一無二の目的地に向けて一歩ずつ歩みだすしかない。もっと言えば他の誰もが、実のところ最終目的地がないのに、毎日は小さなやるべきことに追われて、ゆっくりと自らで判断することを先延ばしにしている。だからいつもどこにいくのかわからないまま、でも歩みを止めることすらできない状況だね。さらにはいつ終わるとも知らないわけだから、不安で押しつぶされそうになっている時間だけが過ぎていく。そこで必要なのはそんな毎日にさようならを言う決断となる。あなたが本当の意味で一人になったときに、ようやくあなたは他の誰かでもないあなたとして生きることができるだなんて、なんだか皮肉な結論だね。でも不安はそのままであっても、あなたにはやるべきことが見えるようになる。するとこれまでの景色ががらりと変わる。それは、もうあなたは群れから離れて、誰かのためのあなたらしさを演じることもやめて、ぽつんと一人ようやくこの世に降り立った瞬間であるからだ。
