循環の途中
現状
今あなたが思っている現状を受け入れ難いと感じているのならば、一旦それをどうこうしようともがくのをやめて、そのまま受け入れた方が良い場合が多い。そんなことを言われてもにわかには納得できないだろうし、その気持ちがあるからこそ、なんとか今の状況を打破したいとあれこれと画策しているわけだろう。しかしながら、それをきちんと受け止めた方が、実際には現状が驚くほど変わっていく経験もあるだろう。それには理由があって、あなたが感じている問題は、実のところどこにも起こっていないことがあるからだ。あなたが問題だとなんとなく思っていることは、全部とは言えないまでもほとんど認識のズレが原因だったりする。あなたが思っているほど、あなたはあなた自身のことをわかってはいないし、悩ましい問題もあなたが勘違いしたものであることがほとんどだからだ。そんなことはないと反論したい気持ちもあるだろうけれども、少しばかりぐっとこらえて見てみよう。
ズレ
あなたは一番自分の理解者だという前提で、すべての物事を見ている。いわばそれはあなたという認識の立脚点でもあるわけだ。それがあるから、自他の区別ができるわけだし、あなたとそれ以外という境界線を描くことができる。ところが、その根本を再定義しようとしたとき、途端にあなたは迷路に立たされてしまう。あなたとはなにか、あなたとはどこからどこまでがあなたなのか、そんな単純な問いに明確に答えられない。そんなはずはないと言うのならば、実際に言葉化してはっきりさせてみればわかるね。よく例えられる例としては、あなたの唾液は口の中に常にある。それは免疫機能の一部であり、食物の消化機能の一部でもある。常に潤っていないといろんな体調不良を起こすわけだ。けれども、一度あなたの口から出た瞬間、それはあなたのものだと知っていても異物となる。そこからあなたはあなたの中と外の区別が生まれていると考えられるわけだけれども、実際にはあなたのものであるに違いないものだ。
あなたとは
あなたの身体の一部があなたと接合しているときは、あなた自身であり、あなたの身体の一部であっても、それがあなたと切り離された瞬間にあなたではなくなる。それがあなたとそれ以外を分ける分水嶺のようなものさしになっている。食べ物は外側で、口に入れた瞬間内側になって、その後排出されると外側となる。その基準でいけば体内にあるものはあなたであり、それがたとえ外界のものであっても同化するわけだ。そしてそれはそもそも外界のものとして出ていく循環の中心があなただということだ。しかしそれを大きな視点でみるとどうだろう。自然界では同じように循環しているものがほとんどだ。エネルギーでさえ、燃やしてしまって炭酸ガスに変化したところで、それをまた植物が光合成の材料として使いエネルギーを生み出している。あなたはそれを穀物として食べて、またそれをエネルギーとして生命活動を維持している。はてさて、そこにあなたはどの部分に該当するだろうか。大自然の循環のほんの一部であり、それをあなたは特別な自分として認識しているのだけれどもね。
