夢中になれ
ストリートミュージシャン
雑踏の中で、彼女は歌い続けている。その歌声は雑踏にまみれて誰かに届いているようには見えない。だからといって大きすぎる音量では、忌み嫌われて足早に去っていく人がほとんどだろう。そこそこの音で、風の音や喧騒にかき消されるかどうかのレベルで、ずっと歌い続けている。どんな曲でどんな歌詞なのか、ところどころ聞こえてはノイズにかき消されてしまう。そこでふと立ち止まって注目して見ると、それはまさに愛の歌だった。それに気づくことが出来たのは、そんな状況の中でも彼女は決して歌うことをやめずに、ずっと続けていたからだ。どうせ聞こえないのならば、早々に退散してもよかっただろう。でも、そんな悪条件であったとしても、彼女はいつもと同じようにずっと歌い続けたから、少なくともあなたにはその声が届いたわけだね。
諦めない
そんなことをやっても意味がない、無駄だろう、なんて言ってあなたはいつも最高の条件と最高の結果を求めている。絶好のチャンスを今か、今かと待ち続けてもうどれくらい経つだろう。今はまだ時期じゃない、まだまだだ、なんて言うことばかりで気がつけば人生も後半に差し掛かっている。それはそこそこ優秀なあなただからこそ、そのタイミングを見極めることができるからだ。有能さは時に残酷な結果をもたらすことになるというのは、まさにそういう状況を生み出すからだね。打率3割超えのホームランバッターは、球種を見極めるプロだからこそ、無駄な球には手を出さない。ジャストミートさせたところで安打どまりだろうとわかってしまうからだ。一方で野球素人は、なんでもかんでも一発当ててやろうと振りまくる。そこそこ良いあたりだとしても、高く上がってワンアウトばかりだ。でも、そのうちまぐれが起きてホームランになったりするわけだ。
場数
とにかく振りまくることをバカにする傾向にある。もちろん振り回したからと言って打てないことぐらいは誰もが知っている。でも、そもそも打席に立たないとそれすらもできないわけだ。だからあなたが思う良い条件やタイミングを待つというのは、もちろん必要なことではあるけれども、結局あなたの理想が高くなればなるほど、そんな好条件なんてめったに出会うわけではないね。それよりも貪欲に夢中になってとにかく前へ前へと振り回した方がいいこともあるわけだ。なんとか率といって、数字を割り算して求める数値にはそんな罠があるわけだ。その割合は、総数がどれぐらいのものなのかがバラバラであるということに注意した方がいいね。そもそも割合よりも実数をみた方がシンプルでわかりやすいのだからね。打率3割より打率1割でもバッターボックスに立った数が多ければ、結果は大きくなるわけだからね。だからあれこれ考えずに夢中になったもの勝ちなんだよ。
