日常
ちっぽけな話
偉業を成し遂げたようなとんでもなく素晴らしい話は巷に溢れているね。どん底の失敗から一転成功した話とか、難病に立ち向かって今は全快した話とか、まぁ聞けばその時の感動は計り知れない話ばかりだよね。そういう人たちの講演やセミナーで多くの人の心を震わせている。でも、その大きすぎる感動というプレゼントはめいめいは受け取れているのかな。いざ家に帰ってその良い話を少しでも応用しようとした時に途方に暮れるんじゃないかな。だってそんなドラマチックで激動の人生なんて送ってもないし、それがいつそうなるのかさえわからないからね。とっても感動して心動かされたんだけど、どうも身近には起きそうもない話ってこと。そう、その話を聞いても何も変わらない日常のあなたには、どこにも応用できないという、なんだかとてももったいないことになってしまうね。
身の上話
そんな万が一の感動の話より、早速多くの人が今から使える話をしよう。私はこうして悟りを開きましたとかは、なるほどそれだ、と思っても多くの人にとって今すぐには無理だしね。ああ、これくらいなら今すぐにでもできるなっていう気づきになるような、そんな小さくささやかな話が、時に人生を大きく変える可能性を秘めているね。偉人のようにすごい経験がなくても、それはきっと今すぐ誰かの役に立つんだから。上手く話せなくても、ぽつりぽつりと辿々しくても、小さく心を震わせることができて、小さなきっかけになって、最初の一歩に繋がることは、実は日常に溢れているよ。命がけの体験なんてなくても、ただ何気ない普段の暮らしの中で、そのすべてはドラマチックなんだからね。まばゆく輝くダイヤモンドは日常には落ちてないけれど、きらきらとした石ころはそこら中に落ちていることに気がつけば、それだけでつまらないと思っていた毎日がきらきら輝き始めるよね。
小さく変化
例えば何か人にしてもらった時に、「ああ、どうもすいません」で済ます事が多いなら、今日一日で「ありがとうございます」と何回言えるか挑戦してみたらどうかな。すぐにイライラする人だったら、イライラしながらも今日一日、何回それを飲み込めるかということにチャレンジしてみてはどうかな。いつも悲観的に考える癖がある人は、10回に1回ぐらい楽しいことを思い浮かべることを意識してみてはどうだろう。そういう連続の中に小さな変化が生まれて、もしかしたらそれがいずれ大きなうねりになって、信じられないくらいの大きな変化に変わるかもしれない。さらにそうやって変わることを体験したならば、偉人のような荘厳な話をするのではなくて、身近な人にそのまま小さなコツのようなことをお話できるよね。そうやって一人、また一人と変わっていくことができたなら、大それた話ではなく、何気ない日常の小さなお話としてどんどん広がっていくことができるんだよ。
だから、大きな激動の感動話ばかりに目を奪われがちだけど、本当に大きく変える力があるのは、ほんとつまらない、ちっぽけな話の方なんだよね。これホントよ。